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映画『ハワーズ・エンド』-美しい郊外の邸宅の後継と人間模様/文芸作品、テレビドラマ化へ

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イギリスの作家E・M・フォスター(1879-1970)の小説

ハワーズ・エンド』というのは、

イギリス郊外の邸宅の名前である。

 

ハワーズ・エンド (池澤夏樹=個人編集 世界文学全集 1-7)

ハワーズ・エンド (池澤夏樹=個人編集 世界文学全集 1-7)

 

 

巻頭のページに記された

“Only connect…” (オンリーコネクト)

「ただ結びつけることさえすれば……」(吉田健一訳)

 

小説の書き出しは、 

まず、ヘレンがその姉に宛てた何通かの手紙から始めたらどうだろうか。

で、始まり、“古くて小さくてなんとも感じがいい、赤煉瓦の家”

ハワーズ・エンドに招かれ泊まっていた妹のヘレンの手紙へと続く。

 

 

 

  

 

 

この文芸作品の見事な映画化は、1992年で

眺めのいい部屋』(1986)『モーリス』(1987)と知られた

ジェイムズ・アイヴォリー監督による。

 

ハワーズ・エンド [DVD]

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一面に咲くブルーベルの草原を歩く姿など、

美しい映像も印象に残る。

アンソニー・ホプキンズや

エマ・トンプソンといった充実した俳優陣で

大変、素晴らしい映画となっている。

 

主な登場人物は、 上流中産階級

知的・芸術的で理想主義なシュレーゲル姉妹と弟、

(姉をエマ・トンプソン、妹がヘレン・ボナム=カーター)

片や、現実主義で資産家のウィルコックス家の人々。

(ウィルコックス氏をアンソニー・ホプキンズ)

そして、シュレーゲル姉妹の知人となる

繊細な青年レナード(サミュエル・ウエスト)は

裕福さとはほど遠い下流中産階級であった。

 

20世紀初頭のイギリス

同じ中産階級でも、本質的、文化的指向が異なる彼らが、

唯一、ウィルコックス家で芸術性を解していた

夫人ルース(ヴァネッサ・レッドグレイヴ)の生家であり、

遺産となった、ハワーズ・エンド邸をめぐって

いわば運命的に結びついて

繰り広げられる人間模様が描かれていく。

 

実は、ウィルコックス夫人は、病で亡くなる前に

ハワーズ・エンドをマーガレット・シュレーゲルに譲る”と

書き残していたが、鉛筆の走り書きであったため

遺族のウィルコックス氏と子供たちは、相談の上

とりあわないことにして、燃やしていた。

 

彼らにとってはハワーズ・エンドというのは一軒の家で、それが故人にとっては一つの精神であり、故人がその精神的な後継者を求めていたことは彼らに解るはずがなかった。  136頁

 

その後、ウィルコックス氏は、シュレーゲル姉妹の姉

マーガレットに惹かれて再婚し、二つの家族は

結び付けられていく。しかし、妹のヘレンは

知人のレナードが職を失ったきっかけとなった

ウィルコックス氏を許せない。

ハワーズ・エンドは、ウィルコックス氏が所有し、

息子のチャールズが継ぐことと

なっていたのだが…。

 

最終的には、

家(邸宅)が住む人を選んだ、かの如く、

異質にみえた、あらゆるものが結びつき、

ルース(前ウィルコックス夫人)の願ったとおりに

その精神性も引き継がれていくであろう、との

不思議なめぐり合わせに、深く感じ入ることになる。

 

異なる文化や階級の結びつき、寛容と許し、

といったテーマが、フォースターの作品に

流れているという。

  


Exclusive: HOWARD'S END Movie OFFICIAL TRAILER - Anthony Hopkins - Remastered Edition, 2016 HD

 

  

ところで、同じアイヴォリー監督で

アンソニー・ホプキンズと

エマ・トンプソンの名演による

英国の屋敷をめぐる名画といえば、

カズオ・イシグロ原作の

日の名残り』(1993)もある。

 

 

 

さて、ついに

この『ハワーズ・エンド』を、

テレビドラマ化することになって、

キャスティングも決まってきたらしい。

 

dramanavi.net

 

映画でエマ・トンプソンが演じたマーガレットを

ヘイリー・アトウェル

同じくアンソニー・ホプキンズのヘンリー役に

マシュー・マクファレン。

はて、どこかで聞いた名前と思ったら、

映画の『プライドと偏見』のダーシー役でしたね。 

プライドと偏見 [DVD]

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イギリスでのドラマが出来上がったら、

日本でも見たいなぁ(笑)

 

映画を見てから、

今、原作を読んでいる。

劇的な物語性を押し出すものでもなく、

事細かな人々の描写と心理が描かれはするものの、

淡々と進んでいく作品。

 

オースティンの作品と同じように

それでも、惹きつけられる何かと味わいがあり、

人間についても、出来事についても、全ては

あらゆる側面があって、短絡的な理解は求められない。

それでも、人は繋がり、時に衝突し、折り合い、

という、ある意味、人生の真実を垣間見るような

深みと広がりを呈してくれる。

 

イギリス文学は、老成、いや成熟した文学

とも言われる面もあるのだが、

この本は、ある程度、年を経てから

今、手にしてよかったと感じる。

 

かくして、興味を持った

一冊の本、はたまたDVDが、

次の作品を連れてくる。

日常の諸事の合間に、別世界へ移動しつつ、

(いや、そのエッセンスは、普遍的なものでもあり…)

あれも見たい、これも読みたい、と

あっというまに日が過ぎる…のであった。

 

 

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映画『ロイヤル・セブンティーン』爽快でハートウォーミングなコメディ

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秋かと思うほどの涼しさ、

数日、曇りがちに雨降りでしたが、

今日は日差しが戻ってきたようです。

 

 

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シモツケ ホワイトゴールドが再び花をつけています。

 

今朝のヨウラクアジサイ 

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これは、家族が借りたものを

思いがけず観ることになったのだが、

とっても面白かった。

 

主人公のダフネ役のアマンダ・バインズが

とてもキュートだし、

パパ役が、コリン・ファース

アマンダは、コリンがパパということで

役柄を引き受けたとか(笑)

アマンダのママ、

チャーミングなリビー役が、ケニー・ブレストン

楽しく、可笑しく、笑いながらも、

結構、ほわっとする

ハートウォーミングなストーリーでもある。

 

原題は、“What a girl wants

監督は、デニー・ゴードン

原作は、イギリスの作家 ウィリアム・ダグラス=ホームの

舞台劇(1955年)“The Reluctant  Debutante” という。

 

ニューヨークのチャイナタウンに住むダフネは

愛するママ、リビーから、いまだ会ったことのないパパ、

ヘンリーとのロマンスを聞きながら育ち、

ずっとそのパパに会いたいと願っていた。

17歳になり、単身、パパ、ヘンリーの国イギリスへ。

 

有名人、ヘンリー・ダッシュウッド卿であるパパは、

折しも、選挙活動の真っ只中。

しかも、婚約者と義理の子どもまでがいたのだ。

がっかりして、そのままアメリカに戻ろうかと迷うが、

パパへの想いが断ち切れないダフネは、屋敷に忍び込む。

 

一方、17年前、知らぬ間に姿を消した(実は追い出された)リビーが

自身の子供を産み育てていたことも、知らなかったヘンリー

ダッシュウッド卿)は、ショックを受けながらも、

娘のダフネを迎え入れ、屋敷に逗留させる。

 

突然現れた実子を邪魔もの扱いする周囲の思惑と、

戸惑いながらも、次第に増していく父と娘の

親子の愛情が交差しつつ、気づいていく

本当に大切なもの…。

 

格式と因習の世界に、

吹き込んできた解放的な新風に

巻き起こる騒動が笑えます。

パパのために、お嬢様になろうと奮闘するダフネの

並行して描かれる恋もチャーミング。

 

 


What A Girl Wants: Trailer (2003)

  

人気のDVDは、 2015年に、新盤が出ています。

 

 この制作陣は、『アリ―・マイ・ラブ』

セックス・アンド・ザ・シティ』と同じだったのですね。

 

英国王室のそっくりさんが登場したり、また

ザ・英国紳士という感じのコリン・ファースですが、

彼が、ターバンを巻いたり、なんと

ピチピチの革パンをはいて踊りまくる姿!(爆)など

(上に載せた英語のトレーラーにもちらと出てた)

ファンは、思いがけず愉しめるシーンもあります(笑)

 

余談ながら、嫌味な婚約者役のアンナ・チャンセラーは

BBCドラマの『高慢と偏見』でも主人公エリザベスに

意地悪していたミス・ビングリ―役の女優さんでした。

また、日本では公開されていないようですが、

悪妻といわれたシェイクスピアの奥さん役も演じたらしい。

ああいう嫌な女という役柄がなぜか似合う、

というかうまい(笑)

 

とにもかくにも、テンポと

ノリのいい軽~いコメディ。

爽快な後味は、クセになる…

また観たくなる面白さでした。

 

 

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映画『真珠の耳飾りの少女』ーフェルメールの絵に秘められた物語

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オランダでは、モナリザとも称される絵画

フェルメールの作品  “真珠の耳飾りの少女

 

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(画像は、真珠の耳飾りの少女 - Wikipedia から転載)

 

背景もなく、振り向くように

こちらを見て佇む少女の肖像。

その表情が語りかけてくるものには、

想像をかきたてるものがある。

 

実際、誰がモデルなのか

誰の注文を受けて描かれたのか、

どういう経緯だったのか、

一切が、謎のままで

絵画だけが残って

密やかに語っている。

 

そんな謎めいた絵画の背景を紡ぐように

小説が書かれている。 

 

真珠の耳飾りの少女 (白水Uブックス)

真珠の耳飾りの少女 (白水Uブックス)

 

 

 

 

  

 

 

その小説をもとに

映画化された作品が

真珠の耳飾りの少女』 (2003年)

原題 “Girl with a Pearl Earring”

 

真珠の耳飾りの少女 通常版 [DVD]

真珠の耳飾りの少女 通常版 [DVD]

 

 

この映画のヒットもあり、

絵画の題名も、“青いターバンの少女” などから

この映画タイトルで、一般的になったようだ。

 

何といっても、

映像が絵画のようにも印象的で、素晴らしい。

当時のオランダの街の様子や風俗・暮らしなどと共に

閉塞的で緊張感もある画家の生活と姿が

奉公することになった一人の少女との出会いによって

描き出されていく。

 

ヨハネス・フェルメール(1632-1675)は、

同じオランダのレンブラントと共に、17世紀を代表する画家。

しかし、残っている作品は30数点と少ない。

 

日本では、人気のある画家だと思うが、

私はこれまで、レンブラントほど印象になかった。

ちなみに、レンブラントの絵は、

近場の川村記念美術館で、観賞したことがある。

素晴らしかった。

 

さて、映画でも出てくるが、鮮やかな青色は

フェルメール・ブルー”と呼ばれ、

ラピスラズリに含まれるウルトラマリンの顔料という。

 

 

youtu.be

映画のトレーラー(字幕版)

 

映画では、フェルメール役に、コリン・ファース

少女グリートが、スカーレット・ヨハンソン

 

タイル職人の父親が事故で仕事につけなくなったため、

かわりに、娘のグリートは奉公へ。

プロテスタントであったが、カトリックの)

画家フェルメールの家で、住み込みの女中となる。

 

やがて、グリートには

色彩感覚の美的才能や、絵心があることに

気づいたフェルメールは、アトリエで

色の調合などを手伝わせるようになった。

そして、フェルメールパトロンの意向もあり、

グリートを絵のモデルとして描くことになるのだが、

グリートに嫉妬した夫人がアトリエへ乗り込んでくる。

そこで目にした、自身の真珠の耳飾りをつけた少女の絵に

逆上する…。

 

フェルメールの絵に心酔するグリートが

徐々に画家に恋心を抱き始める様子や

画家が芸術的な魂を共有できるグリートを

好ましく感じているのが、寡黙な二人の間で

静かに伝わってくる。

絵を見たグリートが

「心まで描くの?」とつぶやくのも印象的。

 

台詞も少なく、静謐さの中の

いわばプラトニックな交流なのだが、

グリートとフェルメールのやりとりの

場面場面が、印象深く

実に官能的。

 

次第に

スカーレット・ヨハンソン自身が

絵画そのものにも見えてくるから

不思議なものだ。

これは、お話なのだとわかっていても

思わず、その世界観に浸ってしまう

映画というのもすごい。

 

このところのDVDは

何だかコリン・ファース祭りにも

なっちゃっているが(笑)

観終わって、

スカッと楽しいコメディもいいし、

じんわり余韻が残っていく

こうした作品も素晴らしいなと思う。

 

ところで、おまけ、というか

ちょっと楽しいこんな本もみつけた。 

 

こどもと絵で話そう ミッフィーとフェルメールさん

こどもと絵で話そう ミッフィーとフェルメールさん

 

 

美術展の特別企画本ということだそうだが、

おなじみのミッフィーの絵本と同じ感じで、

ミッフィーのお父さんとミッフィー

フェルメールさんの絵を見ていく。

 

“こどもと絵で話そう”というだけあって

わかりやすい。確かに、お子さんと楽しめそう。

知らなかった絵もあって面白かった(笑)

そう、フェルメールさんは、

ディック・ブルーナーと同国の画家だったね。

 

 

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7月末に復刊した絵本『エミリ・ディキンスン家のネズミ』長田弘訳

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暑い日が続きますね。

 

開花しだした

庭のヨウラクアジサイ

 

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 昨日(8月8日)

 

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本日(8月9日)

 

 

 

 

さてと、

今日の一枚は、書のブログから。

 

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 小さくとも、思い高く、

一本の花を、一冊の本をそだてるのだ。

微笑みの種子を播き、――

誰にも知られずに、花ひらくまで。

      エミリ・ディキンスン  長田弘

  

By Chivalries as tiny,

A Blossom, or a Book,

The seeds of smiles are planted -

Which blossom in the dark.   

                     Emily Dickinson(J-55・F-37)

 

絵本の冒頭の詩。

 

 詩人エミリ・ディキンスン家に 

住みついた白ねずみのエマライン。 

エミリの詩に触発されて、 詩を書き出し、 

ひそやかにエミリとの交流(文通)が始まる。

 

ディキンスンの詩12篇と、エマラインの詩7篇も 

ちりばめられた可愛らしくて素適な物語(絵本)

 

エミリ・ディキンスン家のネズミ【新装版】

エミリ・ディキンスン家のネズミ【新装版】

 

 

エリザベス・スパイアーズ作、          

そして、クレア・A・ニヴァラの  

ペン書きの絵が、また愛らしく、 

訳者は、詩人の長田弘さん。

 

ちいさな宝物見っけ!みたいに 

図書館(児童室)で借りてきた。

 

さて、絵本の詩もすべて、

長田弘さんによる新訳ということで

これがまた素晴らしい。

 

作者の想いを直に感じられる原詩が味わえれば、

それは、何よりだが、

日本語の感性も加わる、翻訳詩の味わいも楽しい。

名訳といわれる外国の詩では、時に、本家より

詩的になっていたりするものも、少なくない(笑)

 

とはいえ、原作でも読んでみたいという、

毎度の思いもまた頭をもたげる。

英語の原題は、”THE MOUSE OF AMHERST”

アマストのネズミ

AMHERST(アマスト)というのは、

ディキンスンの町である。

 

絵本は、児童室にあったけれど、

どんなお子さんが借りるのだろう。

自分の手元に置いておきたいくらいだ。

 

と書のブログに書いていた昨秋は、古本扱いだったが、

つい最近、この絵本が復刊、

新装版で出たばかりと知った。

7月から、はじめての

エミリ・ディキンスンの伝記映画が

岩波で公開されているからだろうか。

 

www.salon-shiroineko.com

 

また、孤高の詩人エミリ・ディキンスンについては

もう一冊の絵本ともども、こちらをどうぞ。

 

www.salon-shiroineko.com

 

編集元記事

koboaoineko.hatenablog.com

 

あとがきで長田弘さんが述べられている。

 

エミリ・ディキンスンのように生きたとしか言えない、

一個の生き方をつらぬいた人。

そのようなあざやかな記憶をのこしている詩人です。

変わった人でした。ずぬけた人でした。おもしろい人でした。

小さなものたちに“自分の共謀者仲間”をもとめた

エミリ・ディキンスンの親しい秘密を、

切実なユーモアをにじませて書かれたのが、この本です。

この本を澄ませているのは、小春日和のニューイングランド

澄んだ空気です。    (訳者あとがきより、2007年初版)

 

 

 今日のもう一枚。


ポストカードこらーじゅ 94

 

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ファンタジックというか、おとぎ話的な要素と、

ロマンティックなバラの花のシール

たっぷり使った甘めな?一枚。


それでも、下地の色合いは、

特に下側の(写真ではどうも色が出ないですが、水色でなく)

ミントグリーン(なんです)で爽やか系に…。

色調だけでなく、ミント、つまりハッカの香りも

梅雨時、更に暑い夏には、

いろいろと使うことが出来て、いいですね。


日々、少しでも爽やかに過ごせますように!

 

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『アーネスト式プロポーズ』英国コメディ映画-オスカー・ワイルドの戯曲『真面目が肝心』

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ジェイン・オースティンの『高慢と偏見』から

BBCの人気ドラマ以来、

ミーハーのご多分にもれず

ダーシー卿役のコリン・ファース

出演する映画が

注目リストのいくつかとなり、

その後見たのが、『英国王のスピーチ

 

英国王のスピーチ スタンダード・エディション [DVD]

英国王のスピーチ スタンダード・エディション [DVD]

 

 

なかなかよかったし、

見事、アカデミー賞を受賞した作品だが、

今回はこの話ではない。

このところ、続けて、軽いタッチの

コリン・ファースが登場するコメディを二つほど

楽しむ機会があり、記しておこうと。

 

 

 

 

『アーネスト式プロポーズ』 (2002年)

アーネスト式プロポーズ [DVD]

アーネスト式プロポーズ [DVD]

 

 

映画のタイトルは何だかよくわからない感もあるが、

原作は、オスカー・ワイルドの喜劇(戯曲)『真面目が肝心』

(原題:The Imporatance is being Earnest )

 

サロメ・ウィンダミア卿夫人の扇 (新潮文庫)

サロメ・ウィンダミア卿夫人の扇 (新潮文庫)

 

 「サロメ」「ウィンダミア卿夫人の扇」そして「真面目が肝要」を収録。

 

日本では、宝塚の演目でも取り上げられているようだ。

 

オスカー・ワイルド(1854-1900)は、

『ドリアン・グレイの肖像』『サロメ』等

の作品で知られるアイルランド出身の作家だが、

子どもの頃、読んだ童話でも、

『幸福な王子』や『わがままな大男』などもある。

 

幸福な王子―ワイルド童話全集 (新潮文庫)

幸福な王子―ワイルド童話全集 (新潮文庫)

 

 

幸福な王子というのは、街を見渡せる銅像の王子が

貧しかったり、困っている人々の暮らしを助けるため、

南の国へ渡ろうとしていたツバメに頼んで、

自身に埋め込まれた宝石や金などを届けてもらうが、

ツバメは帰る時期を逸してしまう、よく知られた、あの話ね。

 

で、話を映画に戻すと、19世紀、

ロンドンで遊興三昧しているアルジールパート・エヴェレット

という男が、雑務から逃れるために

架空の“バンベリー”という病身の友人を作り上げ、

事あるごとに、訪ねることにしている。

 

また、

田舎で謹直な叔父として暮らしているジャック(コリン・ファース

は、やはり、息抜きのために

架空の“アーネスト”という困りものの弟を訪ねる名目で

ロンドンへ遊びにやってきては、アーネストと名乗る。

アルジーとジャックは、ロンドンでの遊び友達だ。

 

そして、ジャックは、アルジーのいとこの令嬢グウェンドレン

(フランシス・オコナ―)に夢中。

アルジーは、ジャックが後見人となっているセシリー

リース・ウィザースプーン)と “招かれざる客ながら、

架空の弟アーネストになりすまして” 知り合い、恋に落ちる。

 

ところが、この女性陣二人ともが、それぞれ

“アーネスト”という名前の男性と結婚したいという

夢をもっていることから、話がややこしくなるのであった。

 

何だか、書き出してみても

まぎらわしい設定なのだが、

紳士淑女のドタバタが可笑しくも、上品なコメディ、

そして、ジャックの出自をめぐって、さりげにミステリアスな

ストーリー展開も加わって、面白い作品になっている。

 


『アーネスト式プロポーズ』 予告編

 

ご覧のように、

グウェンドレンの母親のブラックネル卿夫人には

ジュディ・ディンチで、存在感ばっちり。

 

ルパート・エヴェレットコリン・ファースの共演、

貴公子コンビは、『アナザー・カントリー』(1984年)以来。

 

さらに、何といっても、

英国の御屋敷と調度品、庭などの景観もとても豪華で美しい。

英国好きの人には、そうした味わいと雰囲気というか、

更に、ワイルドらしい機知に富んだ

会話のやりとりも楽しめると思う。

 

ところで、“Earnest” アーネスト、という名前が、

英語の“earnest 正直、真面目”という意味の語とかけて、

駄洒落になっているので、このタイトルが

活きてくるわけ。

シャレが理解しづらいので、

他国のタイトルは微妙なところ。

  

もう一つの、現代的なコメディについては、

またあらためて。

 

今日のゲストフォト

 

我が家の先代 貴公子コンビ(父子ですが)

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