エブリディ・マジック-日だまりに猫と戯れ

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『ムーミン画集 ふたつの家族』をつらつら眺め、活字を拾って楽しむ

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   オキザリス 桃の輝き

 

児童書としてその本のことは知っていながら、

子どもの頃には、なぜか食指が動かなかったのに、

かなりの大人になって、初めて読んで、はまり、

ああ、やはり名作だったんだと感じ入るものが

いくつかある。

 

 

 

ドリトル先生とか、ナルニア国物語

メアリー・ポピンズなどもそうだったが、

3年前ほど、ふと興味を感じて、

文庫があるということで読み出し、すっかりその物語世界に

魅了されたものが、ムーミンシリーズだった。

 

 

おりから、その(2014)年は、作者トーベ・ヤンソンさんの

生誕100周年ということで、イベントやらもあり、

あらためてのブームでもあった。

もともと私は、キャラクター好きのミーハーでもあるので、

その点でも、偶然の時期到来と相成り、はまったわけであるが(笑)

 

で、それまで見たことのなかったアニメのムーミンも少しと、

雑誌やら、コミックまで手を出したり。

 

やはり、物語がいいのだが、

トーベ・ヤンソンさんが画家であることに

こだわっていらしただけあって、挿絵がまた素晴らしい。

こうしてお話と絵が混然一体となって、面白いとか

楽しいだけでなく、哀感や、虚無感といったものや

北欧の風土と自然やらとの、あの独特な空気感をはらんだ

不可思議な世界の魅力に惹きつけられるのだった。

 

最近、図書館で借りてきた、タイトルの

『トーヴェ・ヤンソン ムーミン画集 ふたつの家族』

折々に開いて、原作からの144点という絵と、

ヤンソンさんの家族との写真などを眺めて、楽しんでいる。

(ということで、ムーミン一家ともうひとつの家族になるのだが)

水彩なども素適だが、彼女の真骨頂は、

書き直しも厭わなかったというペン画の味わいにある気がする。

 

ムーミン画集 ふたつの家族

ムーミン画集 ふたつの家族

 

 

そしてまた、絵の解説ではなく、

作者と物語の背景を伝えてくれる章立ての内容が読める。

そして、何より、ところどころ絵の下に置かれた(引用された)

トーベ自身の言葉 (新聞やインタビュー、雑誌などから)が

大切なことを述べていて、とても興味深い。

 

「『日常的なものにひそむ昂ぶりと、幻想的なものにひそむ安らぎ』このふたつは、子どもにとってもおとなにとっても、おなじようにたいせつです。わたしたちは、日常においても、わくわくするできごとをたくさん経験します。それらがなかなか眼に入らないのは、たんに慣れっこになっているせいかもしれません」

    12頁(「ヨーテボリ・ブックフェア・カタログ」1987年)

 

 

ああ、これは手元に置きたいかも(笑)

本は欲しくなってしまう人なのだが、

近年は、決めた本棚に入るだけとしているところでも

あって、一応慎重ではある。

 

それにしても、児童書というが、

ちょっと哲学的な面もあって、今になってこそ

読み応えあると感じていたら、こんな言葉もあった。

 

ムーミンの物語はどんどん子どもの本ではなくなっていきました。このまま続けていくのは、シリーズものだからといって、子どもたちに望まれているからといって、誠実ではないだろうと思いました。終わらなければなりません。終わらせなければならないこともあるのです。それに、あの時代に戻りたいと思っても、もう戻れないのです」

   90頁(「フィンランド放送のインタビュー」1991年)

 

それでも、また

ムーミン谷のおとぎ話(サーガ)的キャラクターは、まるで扉のすきまのように、それらはいまも子ども時代にむかってちょっぴり開いています。…」

とも述べているのであった。

 

巻末には、国際アンデルセン賞受賞スピーチの文も載っていました。

絵も写真も文も楽しめて、ムーミンの世界が好きな人にはおすすめですね。

 

 

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