エブリディ・マジック-日だまりに猫と戯れ

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映画『情愛と友情』-イヴリン・ウォー原作の『ブライズヘッドふたたび』

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日差しが戻ってきたようだ。

と、午後から、突然の土砂降り…。

そして、また晴れる…。

天気もめまぐるしい。

そういえば、明日の未明に、皆既日食だそうですね。

 

少し前になるが

ツルバギア シルバーレースに花がついていた。

 

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イギリスの作家イーヴリン・ウォー(1903-1966)の

『ブライズヘッド再訪』 “Brideshead Rivisited” も

映画化されていると知り、見てみたいと思っていた。

 

情愛と友情 [DVD]

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DVDを借りるときに、なかなか見つからなかったのは、

タイトルが『情愛と友情』(2008年)とかになっていて、

(何だよ…まあ、そういう面もありますが)

“ブライズヘッド”が抜け落ちていたせい(笑)

 

フォスターの『ハワーズ・エンド』同様、

“ブライズヘッド”は、屋敷の名前。

家といっても、前者の郊外の邸宅でなく、

こちらは、壮麗な貴族の館(城)である。

 

ちなみに、1981年に『華麗なる貴族』というテレビ映画化もされ、

こちらのほうが原作に沿っているようだ。

 


Brideshead Revisited: 30th Anniversary Collection trailer

ドラマの方のトレーラー 

 

原作を読んでいないし、

ドラマの方は見ていないので、

映画の感想のみになるが、

なかなか見応えはあった。

 

話は、今は軍の大尉となったチャールズの

駐屯地となった先が、思いもかけぬ

かつて深い縁のあった貴族の館であったことから

さまざまな回想として描かれていく。

 

真面目な青年であったチャールズは

オックスフォード大学で、貴族である

美しく奔放な青年セバスチャンと知り合い、

友情を深めていく。セバスチャンの家族の館

ブライズヘッドを訪れるようになり、

彼の妹のジュリアとも出会う。

 

チャールズが、彼女にも惹かれはじめたことで、

繊細で同性愛のセバスチャンとの友愛に亀裂が

生じる。宗教や地位のために、ジュリアは

母の勧めた相手と結婚する。

時は過ぎ、画家として成功したチャールズは、

パーティの場であった豪華客船で、ジュリアと

再会して…。

 

実に壮麗な館であったブライズヘッド。

しかし、堅固なカトリック教徒である母の呪縛に

強く絡めとられたまま、逃れられない子供たち。

セバスチャンは酒に溺れ、放浪生活を送る。

やがて崩壊していく貴族一家とチャールズの

深い関わり合いと別れが、描かれる。

 

映画のトレーラーはこちら 

 

youtu.be

 

 

チャールズ・ライダー役が、マシュー・グッド。

セバスチャン・フライト役に、ベン・ウィショー

ジュリア・フライト役は、ヘイリー・アトウェル

彼らの母であるマーチメイン侯爵夫人にエマ・トンプソン

 

イーヴリン・ウォーは、同じイギリスの

グレアム・グリーン(1904-1991)と並ぶ

カトリックの作家といわれる。

グリーンの小説はいくつか読んだことがあるが、

ウォーは読んだことがなかった。

『ブライズヘッド』は代表作の一つで、

古くは、吉田健一訳がある。

 

ブライヅヘッドふたたび (ちくま文庫)

ブライヅヘッドふたたび (ちくま文庫)

 

また、新たに

小野寺健訳で、岩波から上下で出ている。

 

回想のブライズヘッド〈上〉 (岩波文庫)

回想のブライズヘッド〈上〉 (岩波文庫)

 

 

映画の館は、イングランドヨーク―シャー州の

カントリーハウス、カースル・ハワード(Castle Haward)が、

ロケ地となった。

 

マーチメイン侯爵夫人にみる狂信的な姿は重苦しく、

理解しきれないものがあるが、

宗教観、親子、愛と友情、性愛など 

様々な要素とテーマが織り込まれた人間ドラマと人生が、

抒情的に描かれた文芸作品は、不思議な余韻を残す。

 

 

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