エブリディ・マジック-日だまりに猫と戯れ

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『そのうちなんとかなるだろう』内田樹さんーなんとなく(心と直感)に従っての半生記

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1950年生まれの内田樹先生は

道家であり、翻訳家であり

執筆家としてもご活躍で

ご存じの方も多いでしょうか。

 

個人的には

気さくなお人柄?感がある

日々のつぶやきも愉しく

もちろん触れられる話題にも惹かれ

ツィッターでフォローさせて頂いてます。

 

繋がり的には、先だって

他界されてしまった小説家の橋本治

周辺というイメージもありますが。

 

さて、そんな内田氏が先月出された一冊が

半生記ともいうべき本で、早速拝読しました。

 

そのうちなんとかなるだろう

そのうちなんとかなるだろう

 

 

これ、また(吉本)ばななさんが

ツィッターでつぶやいてらしたんだけど

 

 

 

そんじょそこらのスピ本よりずっとすごいって、確かに。

更にやはりばななさん書かれてたと思ったけど

私も読んで付箋だらけになったわ(笑)

 

内田さんが学生の頃

1960年代のリアルな時代の空気感も

興味深かったけれど

何より、歩んできた人生で

指針となってきたのは

理路整然とした思考でなく

もっと感覚的なものであった

というお話に強く惹かれ、頷けた。

 

氏は、普段はおとなしいが

「嫌だ」と言い出したら引かない性格。

勉強に興味が無くなり高校中退後、

計画的に家出して

結局、行き詰って

大検を受けて進学しますと

親に頭を下げて家に戻ったくだり。

 

 父も僕の「虎の尾」を踏むと取り返しがつかないことになるというのは育ててきて思い知っていた。だから、ほんとうはたっぷり説教をしたかったのでしょうけれど、それを自制して、「そうか」だけで終えてくれた。

 僕はその父親の雅量には後になってずいぶん感謝しました。

 いろいろ言いたいことはあっただろうけれど、そういうときにかさにかかって子どもに恥をかかせるようなことはしなかった。僕はそのときに家出に失敗したことからよりも、人生最初の「大勝負」に失敗したぼんくらな息子を両親が黙って受け入れてくれたことから、人生についてより多くを学んだように思います。

 たとえ家族であっても、どれほど親しい間であっても、相手にどれほど非があっても、それでも「屈辱を与える」ことはしてはいけない。これは父母から学んだ最も大切な教訓だったと思います。

 

内田さんは、

あとがきでも書かれていますが

おそらく人生はどの道を選んでも

今の自分の本質とはそう変わらなかったろう、と。

それでも学生時代からの

喧嘩腰の生き方を続けていたら

取り返しのつかないことになるだろうと思いがあり

25歳の時に合気道の師と出会って、入門します。

 

 多田先生は初めてお会いしたときから、「伸ばす先生」だということがわかりました。

 多田先生は道場でしばしば澤庵禅師の『太閤記』の冒頭の言葉を引用されます。

「蓋し兵法者は勝負を争わず、強弱に拘わらず、一歩を出でず、一歩を退かず、敵我を見ず、我敵を見ず。天地未分陰陽不到の処に徹して直ちに功を得べし」

 武道家は勝敗を争い、強弱を競うために修行するのではない。そのような相対的優劣を競う地位を離脱し、自分の蔵する生きる知恵と力を最大化し、「いるべきときに、いるべきところにいて、なすべきことをなす」人間になること、それが修行の目標であると多田先生は教えられてきました。

 ですから、道場で合気道を稽古するのは、合気道の強弱や巧拙を競うためではなく、そこで自分の潜在能力を最大化する方法を会得するためです。

 先生はよく「道場は楽屋である。道場から一歩外に出たところが本番の舞台である」と言われます。 

 

それぞれの「現実」の生活こそ、

真剣勝負の場なわけですね。

「いるべきときに、いるべきところにいて、なすべきことをしている」

深いな~。

 

 

 

また離婚後に

娘さんとの父子家庭を送られていて

仕事(研究)より家事育児を優先したという

そのお話も興味深かった。

もとより教育者でもあるわけだけれど

子育て本カテゴリでも読まれているというのも面白い。 

 

 ご縁つながりで、そのときそのときの流れに従って淡々と生きてきたら、気がついたら子どものころにぼんやり想像していたのとはずいぶん違う道筋で生きてしまった。

 僕はそういう感じがしています。だから、右するべきか左するべきかで悩んだということはこれまでたぶん一度もありません――(中略)

 ふつうに自然な流れに従って道を歩いていたら、「どちらに行こうか」と悩むとういことは起きません。

 日当たりがよいとか、景色がいいとか、風の通りがいいとか、休みに手ごろな木陰があるとか、そういう身体的な「気分の良さ」を基準に進む道を選ぶ人は、そもそも「迷う」ということがありません。

 

「身体的な気分のよさを揺るぎない基準にして歩いてきた人は、

実際にはいろいろな分岐点を経由してきたのだけれども、

主観的には一本道を進んできたような気がする」

これが理想だと思うとあった。

 

やりたくないことはやらないほうがいい、し

結局、どちらに行っても同じ目的地に。

また、どちらかに決めないとか

結婚も仕事も何でも絶対にこれと

決めつける必要もない

感覚的で流れに乗っているのが

柔軟というか、自由でいいな。

 

 スティーブ・ジョブズスタンフォード大学の卒業式に呼ばれて祝辞を述べたことがあります。そのときにとてもよいことを言っています。

 And most important, have the courage to follow your heart and intuition. They somehow already know what you truly want to become.

「いちばんたいせつなことは、あなたの心と直感に従う勇気をもつことです。あなたの心と直感は、あなたがほんとうはなにものになりたいのかをなぜか知っているからです」

僕もジョブズに100パーセント同意します。たいせつなのは「勇気」なんです。というのは「心と直感」に従って(「なんとなく」)選択すると、「どうしてそんなことをするの?」と訊かれたときに、答えられないからです。

 

 「どうしてやりたいのか、その理由が自分で言えないようなことはしてはならない」というルールがいつのまにかこの社会では採用されたようです。僕はこんなのは何の根拠もない妄説だと思います。僕の経験が教えるのはまるで逆のことです。どうしてやりたいのか、その理由がうまく言えないけど「なんとなくやりたい」ことを選択的にやったほうがいい。それが実は自分がいちばんしたかったことだということは後になるとわかる。それが長く生きてきて僕が得た経験的な教訓です。

 

私は、内田さんより一回りほど?若いけれど

いわゆるアラ還(前です・笑)でもあるので

ちょっと来し方を振り返ると

書かれている感覚が結構わかるというか

そうだったのかと頷ける。

 

著者は若い方に読んでいただいて

「こんなに適当に生きていてもなんとかなるんだ」と

安心してほしいともいわれてます。

人生、なるようになるわけなんでしょうね。

興味があれば、一読をオススメです! 

 

 

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