エブリディ・マジック-日だまりに猫と戯れ

草木と庭と猫と…本や日常のあれこれ、小さな発見

MENU

『世界でいちばん貧しい大統領からきみへ』元ウルグアイ大統領ホセ・ムヒカ氏の本より

スポンサーリンク

 

 

行きつけの美容院さんが

たまに興味深い本を貸して下さる。

お返しする前に

その中の一冊からの引用をいくつか

載せておくことにした。

 

世界でいちばん貧しい大統領からきみへ

世界でいちばん貧しい大統領からきみへ

 

 

2012年、リオデジャネイロでの

国際会議のスピーチで一躍脚光を浴びたのが

当時のウルグアイの大統領、ホセ・ムヒカ氏。

 

世界でいちばん貧しい大統領のスピーチ

世界でいちばん貧しい大統領のスピーチ

 

 

 

給料の大半を貧しい人のために寄付し、

大統領公邸には住まずに郊外の農場で奥さんと暮らし、

花や野菜を作り、友人からもらった古びた愛車を自ら運転し、

身なりにかまうことなく働く姿から、

世界一貧しい大統領とも呼ばれました。

 

共感を呼んだスピーチを紹介した本を始め、

ムヒカ氏の言葉などに関する本が沢山でて

広く知られているようですね。

 

評判となった素晴らしいスピーチの本もオススメですが、 

今回はたまたま知人が貸してくれた一冊。

編集者のくしみよしみさんが、

これまでのスピーチや取材、インタビューをもとに

読みやすく構成され、親しみやすいイラストと

最後には氏の生活の写真も載っていて

とても見やすい。

 

わたしは、自分を貧しいとは思っていない。

いまあるもので満足しているだけなんだ。

 

わたしが質素でいるのは、自由でいたいからなんだ。

お金のかかる生活を維持するために働くより、

自由を楽しむ時間がほしいんだ。 

 

ムヒカ氏には、4度の投獄経験があり

軍事政権下での最後の投獄は悲惨で

正気を失うほどのものだったという。

それを救ったのは膨大な読書だったとも。

 

獄中での孤立無援の経験をしたからこそ、

いかにわずかなもので幸せになれるかを学んだんだ。

わたしたちをひどく扱った人間を憎む気には、なれなかった。

 

人生は未来だ、過去じゃない。

 

もちろん、過去は厳然と存在する。

いや、過去を忘れるのではない。そんな簡単に忘れられるものか。

これまで起こったことを、どうやって忘れろっていうんだ。

 

だが重要なのは

未来のために過去を乗り越えることなんだよ。 

 

解放されたあと、わたしはたくさんの人と話をした。

 

牢獄の孤独のなかでぼうだいな読書をし、

外に出た後はさまざまな人と関わって、

わたしはある結論にたどり着いたんだ。

人は孤独では生きられないってことに。

 

許すこと、

過去を乗り越えること、

そして異なる意見にオープンであることが大事なんだよ。

 

大統領がひとにぎりの金持ちと同じ生活をしていたら、

国で何が起こっているかわからなくなる。

ほとんどの国民の生活レベルが上がれば、

わたしの生活レベルも上がるだろう。

それがいいんだ。

 

 

残念ながらわたしたちは、

働いて使い捨てる文明を持ってしまった。

そんな文明では、

長持ちする物は作れない。

新しい物をたくさん売らないといけないからね。

 

こうして環境を破壊していくんだ。

しまいには、いくらあっても足りなくなる。

そして、際限なく働かないといけない。

 

人は、何のために生まれてきたんだと思う?

いや、むずかしいことをいっているんじゃないんだ。

働くため?

発展するため?

 

 

人生は短く、あっという間だ。

余計な物を消費するために働いて、

そのために時間が逃げていったとしたら、

それは幸せなんだろうか?

 

働くことは必要だ。

働かない者は、働く人に負担をかけることになるし、

仕事は希望でもある。

 

でも、いろんな物を買いこんで、

支払うために働くことに人生を費やすなんて、

どうかしてる。

物やお金を貯めるかわりに、

生きるために時間を使うことだ。

 

わたしがシンプルでいるのは、

そのほうが自由だから。

自由とは、自分のための時間なんだ。

 

 

お金を持っていても、時間は容赦なく流れていく。

物のために生きてはならないんだよ。

 

いちばん大切なものは命なんだ。

 

お金で命を買うことはできないんだよ。

命は奇跡なんだ。

奇跡なんだよ、生きていることは。

 

 

 

現代ほど人間が多くを所有したことはない。

これほどまでに知識を得たこともない。

100年前に比べて、平均寿命は40年以上伸びた。

人口は倍になり、食糧の量も倍になった。

わたしたちは生産される食べ物の3分の1を捨て、

8億人が飢えている。

 

世界では1分間に数百万ドルが消費され、

数百万ドルが軍事予算に費やされている。

なのに、貧困を救うお金がないというのは、

わたしにいわせれば、恥じらいを持たないということだ。 

 

こんなにも世界は資源であふれているのに、

かつてないほど富は集中し、

貧富の差は激しくなっている。

 

世界で二番目の金持ちが毎日100万ドル使ったとしても、

使い切るのに220年生きなければならない。

お金がないと政治家がいうとしたら、

お金のある人から徴収せず、

頼むことも、彼らのポケットに手を突っこむこともできない。

臆病者の政治家だからだ。

 

だからわたしは政治の世界で闘ってきたんだ。

かんたんにいえば

弱者のために少々厚めにベーコンを切るということだ。

 

 

 わたしが考えるような世界は、実現可能なのだろうか?

 

いや、難しいと思うよ。

 

わたしたちはつい、人生の時間の使い方を間違えてしまう。

自由をどこかに置き忘れて、

自由が傷ついたことにすら気づかない。

 

それでもわたしは、

人びとが世間に惑わされずに自分をコントロールできるように、

人びとが自分の生きる時間を獲得できるように、

がんばっているんだ。

 

若い人には、恋するための時間が必要なんだ。

子どもや家族ができたら、いっしょに過ごす時間が必要なんだよ。

友だちがいたら、

友だちと過ごす時間が必要なんだ。 

 

わたしの考えはアイマラ民族と似ていてね。

アイマラ民族は、ボリビアやペルーあたりにいる人たちだ。

 

彼らはこういっている。

「貧乏とは、無限に多くを必要とし、もっと欲しがることである」

とね。

 

ほんとうに貧しい人とは、

社会とつながらずに生きている人なんだ。

 

物はわたしたちを幸せにはしてくれない。

幸せは、男とか女とか、子どもとか親とか友だちとか、

命あるものしかくれないんだ。

幸せにしてくれるのは、生きているものなんだよ。

 

犬や猫を飼ったほうがいいんだ。

生きものには品格があるんだよ。 

 

多様性が世界を豊かにし、命を尊重することにつながるんだ。

景色を見てごらん。

花も草木もいろいろあるから美しい。

バラエティのないのっぺらぼうな世界など、ぞっとする。

 

多様性とは、わたしたちそれぞれの独自の文化から生まれている。

奥深くに隠れているわれわれ自身を表現することで、

多様性が見えてくる。

 

鏡で自分を見つめることだ。そして現実と関わることだよ。

 

 

それは、若くても年寄りでも中年でもできることだ。

世のなかを男女でわける必要はないし、

肌の色でわける必要もない。

 

むしろ二つにわけるべきだ。

関わりあう人と、関わりあわない人に。

関わりあえば、自分に気づける。

関わりあうということは、互いの理想を抱きあうことなんだ。

 

 

もしもわたしが獄中生活を経験しなかったら、

わたしの人生は違っていただろう。

あのつらい時代がなければ、

いまのわたしはなかったと思う。

人は、よいときよりも痛みのあるときから

より学ぶことができるんだ。

わたしはそれを身に染みて知っている。

 

そのことを若い人に伝えたいんだ。

挫折から起き上がることを。

人は生きていると、何度も挫折を経験する。

誰だって問題を抱えているんだ。

そこから何度もはい上がることが大事なんだよ

 

延々と引用してきましたが

これでもまだ一部分で

興味あれば、実際に目を通してほしい気がします。

絵本みたいなのであっという間に読めます。

 

人生で本当に大切なことを

思い出させてくれる。

 

それにしても、

いちばん貧しい、って形容は変かも

いちばん豊かな大統領だったのでは?

完全にオワコン(終わったコンテンツ)状態の

現日本政府を憂う昨今こそ

また読み直してほしい一冊かも、ね。

 

 

 

 

 

応援クリック↓↓よろしくね!


ありがとう♪ 励みになります。

 

にほんブログ村 ライフスタイルブログ ポジティブな暮らしへ
にほんブログ村

ご来訪ありがとうございます。