エブリディ・マジック-日だまりに猫と戯れ

草木と庭と猫と…本や日常のあれこれ、小さな発見

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無償のおくりもの-「とげのあるパラダイス」より

 

何かを見たり

読んだりして

ん?と感じ入るものがあり、

それをあらためて伝えようとする試みは

時にたやすく

楽しく

時にむずかしく

むなしい

 

ただ、そこに置いておき

誰かがふと目にして

ふーん

それぞれでかまわない

というスタンスがお互いが楽なんだろうな・・・

 

 

 

で、思い出すのが

イギリスの児童文学作家ジョーン・エイキンのエッセイ。

気に入っているので、他でも何度か引用してきているから

知り合いの方は、またかー、かも…というか

目下、整理もかねて、リライトも多く、知己の方には失礼します。

とはいえ、大概、覚えてないよ、とも言われちゃったけれど(笑)

 

 

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それはさておき、

エイキンが子どもだったとき、いちばん楽しかったことの一つが

兄のピアノを聞くことだったというくだりです。

 

兄は、ずっと年が上で、ピアノはかなりじょうずでした。

しかし、大事なのは、兄は自分のためにひいていたのであって、

私のためにひいていたのではないという点です。私が楽しかったのは、

それが無償のおくりものであって、兄も私も互いに自由なのだという

気持ちがあったためでした。ある種の音楽は私にはとうてい理解できない

という事実がわかったことも、楽しめた理由でした。やさしい音楽がいっ

そう楽しくなったからです。もし兄が「これからおまえのためにひいてや

る。好きな曲をいってごらん」などといったら、兄のその態度に面くらい

辟易したばかりでなく、ひどく窮屈な思いをしたでしょう。経験全部が

すっかり変わったものになってしまっていたでしょう。



そしてこのエッセイのタイトルでもある一節に続きます。

 

 子どもの文学とは無償のおくりものであるという理解、それが

 真にすぐれた子どもの文学の本質だと私は思います。いいえ、

 おくりものというより、大きな大きな宝物庫から取り出して

 何気なく投げ出してある宝箱です。・・・・・・

 

 

とげのあるパラダイス―現代英米児童文学作家の発言

とげのあるパラダイス―現代英米児童文学作家の発言

 

 
とげのあるパラダイス―現代英米児童文学作家の発言

 

これは、英米児童文学作家のエッセイを集めた一冊で、

他にも著名な作家たる面々による、興味深い内容なのですが、

どうやら、今は古本か、図書館で読むことになるようですねぇ。

もちろんエイキンは、児童文学について語っているのですけれど、

一事が万事に通じ、他にも大事なことについて述べている

(と私が感じた)ので、また機会があればご紹介したいなと思います。



ちなみに、一緒に写真に載せた「心の宝箱にしまう15のファンタジー

はエイキンによる珠玉の短編集です。

 

心の宝箱にしまう15のファンタジー

心の宝箱にしまう15のファンタジー

 

 

ジョーン・エイキン(Joan Aiken /1924-2004)は、

詩人コンラッド・エイキンの娘。よく知られている作品には、

シリーズの『ウィロビー・チェ ースのオオカミ』や

短編集『しずくの首飾り (岩波ものがたりの本)』など、

他に、岩波少年文庫にもいくつかあり、

幼年向け(岩波幼年文庫)に、カラスのモーティマーシリーズなど。

 

ちなみに

この岩波幼年文庫に入っていた『かってなカラスおおてがら』などは

今は、図書館でお目にかかれるくらいかと思うものの、

挿絵が、クェンティン・ブレイク(Quentin Blake)で

洒脱な絵と、ちょっとナンセンスなお話が面白いです。

クェンティン・ブレイクは、『チョコレート工場の秘密 』で有名な

ロアルド・ダール(Roald Dahl)の挿絵を描いていたのでも知られています。

  

チョコレート工場の秘密 (ロアルド・ダールコレクション 2)

チョコレート工場の秘密 (ロアルド・ダールコレクション 2)

 

 

ロアルド・ダールの作品も面白いですよね、と、っと

 

この手の話を始めると、とまらなくなるので(笑)

今日は、この辺で…。

いずれにせよ、押しつけられたりせずとも、自由な立場でこそ、

好きに受け取って楽しむことができ、物事もより活きてくる

ようですね。

 

あ、外も晴れてきた。昼過ぎまでは、雨がぱらついてました。

 

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