晴れているこの辺り(千葉北西部)でも
昼過ぎに、雪がちらついていました。
食事に、暖かいもの、頂きたいですね。
ヘレボラス(クリスマスローズ)ピンクフロスト
さて、
村上春樹氏のエッセイにあるのですが、
ものすごく難しいことの比喩として「猫にお手を仕込むくらいむずかしい」と書いたら、「いや、うちの猫はお手をします」というメールをたくさん頂いて、いやいや、驚きました。
彼にとって、猫は仲の良い友人、あるいは対等なパートナーであるので、
“ちょっと違うな”と…。
更に、彼特有の文章で面白いのですが、続きは『村上ラヂオ』新潮文庫の中の
“猫山さんはどこへ行くのか?”をお読み頂くとして…。
「あくまで僕にとっての猫山さん(擬人化)とは自由でクールな存在なの
だ」という彼が、アメリカの街を散歩していて、ある書店のウインドウに
飾ってあった絵本を見つけます。表紙絵も題も気に入り、“ぱらぱらとペー
ジをめくり、「うん、これはいいや」と思って買って帰り、机に向かって
そのまま翻訳してしまいました。”(↓後書きより)
それが、『ポテト・スープが大好きな猫』 テリー・ファリッシュ作
かつて、私が読んだのは、絵本(ハードカバー)だったのですが、
その後、講談社文庫になって出ています。
- 作者: テリー・ファリッシュ,バリー・ルート,村上春樹
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2008/12/12
- メディア: 文庫
- 購入: 3人 クリック: 8回
- この商品を含むブログ (26件) を見る
テキサスっ子のおじいさん、
今はこぢんまりと一匹の年取った雌猫と暮らしています。
「この猫の好物は、おじいさんが作ってくれるポテト・スープでした。
それもおじいさんが、この猫を気にいっている理由のひとつです。
でもそんなそぶりは、ほとんど見せません。」
二人はよく、湖に魚釣りに行きました。
冬になってある朝、猫は魚釣りに行く時間に起きてきません。猫にしてみれば、うとう
としていただけなのに、おじいさんは一人で出かけてしまいます。帰ってみると、家に
は猫の姿が見えません。あくる日も、その次の日も、そのまた次の日も、おじいさんは
釣りに行っては、からっぽの家に帰ってきました。
そして又、足取りも重く、さびしそうな顔で、玄関ポーチに着いてみると、猫が待って
いたのです。猫は前足で大きな魚を押さえ、目は怒りに燃えていました。それから、猫
が鳴き声で語る話を「猫は水に濡れるのはいやだったけれど、いっしょうけんめい泳ぎ
に泳ぎ、魚をあいてになにやかにやあった、ということらしい」とおおよそ知って、感
心して、かわいそうなことをしたと心を痛めました。
そうして、また二人の生活に戻ります。
このおじいさんと猫の、決してべたつかないけれど、結局は心が通い合っているような
しみじみとした感じが伝わってきて、心温まります。
それにしても、村上氏が好きだという年取った雌猫のことはよく知りませんが、
確かにこの雌猫の気概には、おじいさんならずとも、
帽子を取って敬意を表したくもなりますね。
『空飛び猫』の時もそうですが、村上氏が、そんなそぶりは見せずして、
あとがきが親切なのも、読者には嬉しいものです。
ちなみに『空飛び猫』は、ゲド戦記などで知られるSF、ファンタジー作家
アーシュラ・K. ル・グウィンのお話を、村上氏が訳していて、
羽根の生えた猫の物語が、なかなか面白いです。
- 作者: アーシュラ・K.ル・グウィン,Ursula K. Le Guin,S.D. Schindler,村上春樹,S.D.シンドラー
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 1996/04/04
- メディア: 文庫
- クリック: 44回
- この商品を含むブログ (44件) を見る
我が家の先代猫は、ロシアンブルーのシニアの父子猫(雄)たちでした。
今、暮らしている猫は、白茶?の雌猫です。今年5歳になるので、
まだ村上氏のいう年取った雌猫ではありませんが、雄猫より
雌猫のほうが、やや、気が強い感もあります。
先代猫たちは、元の飼い主さんのところでは、ファミリーでした。
そういえば、雌のロシアンは「あなたたちとは違うのよ」という感じで
一番気が強く、人に寄り付き、婿入りした父とその息子の雄猫が
つるんでいたそうでした(笑)
結局、縁あって、その雄二匹を、我が家に迎えることになりましたが、
猫の話はきりがないので、またの機会にゆずりましょう。
応援クリック↓↓よろしくね!
ありがとう♪ 励みになります。
にほんブログ村
ご来訪ありがとうございます。