エブリディ・マジック-日だまりに猫と戯れ

草木と庭と猫と…本や日常のあれこれ、小さな発見

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身も心もあたたかく-『ポテトスープが大好きな猫』村上春樹さんが訳した猫本

 

晴れているこの辺り(千葉北西部)でも

昼過ぎに、雪がちらついていました。

食事に、暖かいもの、頂きたいですね。 

 

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 ヘレボラス(クリスマスローズ)ピンクフロスト

 

さて、

村上春樹氏のエッセイにあるのですが、

 

ものすごく難しいことの比喩として「猫にお手を仕込むくらいむずかしい」と書いたら、「いや、うちの猫はお手をします」というメールをたくさん頂いて、いやいや、驚きました。


彼にとって、猫は仲の良い友人、あるいは対等なパートナーであるので、

“ちょっと違うな”と…。


更に、彼特有の文章で面白いのですが、続きは『村上ラヂオ』新潮文庫の中の

“猫山さんはどこへ行くのか?”をお読み頂くとして…。

 

村上ラヂオ (新潮文庫)

村上ラヂオ (新潮文庫)

 

  

 

 

「あくまで僕にとっての猫山さん(擬人化)とは自由でクールな存在なの

だ」という彼が、アメリカの街を散歩していて、ある書店のウインドウに

飾ってあった絵本を見つけます。表紙絵も題も気に入り、“ぱらぱらとペー

ジをめくり、「うん、これはいいや」と思って買って帰り、机に向かって

そのまま翻訳してしまいました。”(↓後書きより)

 

それが、『ポテト・スープが大好きな猫』 テリー・ファリッシュ作 

              バリー・ルート絵 村上春樹訳 講談社 です。 

ポテト・スープが大好きな猫

ポテト・スープが大好きな猫

 

 

かつて、私が読んだのは、絵本(ハードカバー)だったのですが、

その後、講談社文庫になって出ています。 

 

ポテト・スープが大好きな猫 (講談社文庫)

ポテト・スープが大好きな猫 (講談社文庫)

 

 

テキサスっ子のおじいさん、

今はこぢんまりと一匹の年取った雌猫と暮らしています。

「この猫の好物は、おじいさんが作ってくれるポテト・スープでした。

それもおじいさんが、この猫を気にいっている理由のひとつです。

でもそんなそぶりは、ほとんど見せません。」
 

二人はよく、湖に魚釣りに行きました。

冬になってある朝、猫は魚釣りに行く時間に起きてきません。猫にしてみれば、うとう

としていただけなのに、おじいさんは一人で出かけてしまいます。帰ってみると、家に

は猫の姿が見えません。あくる日も、その次の日も、そのまた次の日も、おじいさんは

釣りに行っては、からっぽの家に帰ってきました。
 

そして又、足取りも重く、さびしそうな顔で、玄関ポーチに着いてみると、猫が待って

いたのです。猫は前足で大きな魚を押さえ、目は怒りに燃えていました。それから、猫

が鳴き声で語る話を「猫は水に濡れるのはいやだったけれど、いっしょうけんめい泳ぎ

に泳ぎ、魚をあいてになにやかにやあった、ということらしい」とおおよそ知って、感

心して、かわいそうなことをしたと心を痛めました。

そうして、また二人の生活に戻ります。

 

このおじいさんと猫の、決してべたつかないけれど、結局は心が通い合っているような

しみじみとした感じが伝わってきて、心温まります。

それにしても、村上氏が好きだという年取った雌猫のことはよく知りませんが、

確かにこの雌猫の気概には、おじいさんならずとも、

帽子を取って敬意を表したくもなりますね。

 

『空飛び猫』の時もそうですが、村上氏が、そんなそぶりは見せずして、

あとがきが親切なのも、読者には嬉しいものです。

 

ちなみに『空飛び猫』は、ゲド戦記などで知られるSF、ファンタジー作家

アーシュラ・K. ル・グウィンのお話を、村上氏が訳していて、

羽根の生えた猫の物語が、なかなか面白いです。

空飛び猫 (講談社文庫)

空飛び猫 (講談社文庫)

 

 

 

我が家の先代猫は、ロシアンブルーのシニアの父子猫(雄)たちでした。

今、暮らしている猫は、白茶?の雌猫です。今年5歳になるので、

まだ村上氏のいう年取った雌猫ではありませんが、雄猫より

雌猫のほうが、やや、気が強い感もあります。

 

先代猫たちは、元の飼い主さんのところでは、ファミリーでした。

そういえば、雌のロシアンは「あなたたちとは違うのよ」という感じで

一番気が強く、人に寄り付き、婿入りした父とその息子の雄猫が

つるんでいたそうでした(笑)

結局、縁あって、その雄二匹を、我が家に迎えることになりましたが、

猫の話はきりがないので、またの機会にゆずりましょう。

 

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