寒い中、沢山咲いている西側の小さな梅の木
ねこのホレイショは、
ケイシーさんと街中の通りに面した家で暮らしていました。
(表紙の絵を見ておわかりのように)
「気むずかしい顔つきに見えます。だかれるのはきらいでしたし、
うれしいときにも、めったにゴロゴロのどをならしませんでした。
ホレイショはかわいがられるより、
そんけいをこめてあつかってほしいと思っていたのです。」
ケイシーさんは親切な女の人で、
ホレイショも大変可愛がられていましたが、
よその人や動物にまでとても優しく接しました。
しかし、ホレイショはそれがまた面白くありません。
ある日とうとう、家にやって来て一緒だった犬やうさぎ、ハト、
そして遊びに来る隣の子供達にうんざりした彼は、家を飛び出します。
成りゆきで、街をあちこち歩くはめになった彼は、
お腹が空いたうえ、子猫たちにまとわりつかれ、
思いもかけない苦労をすることになりました。
しかも、世間知らずでいばっていた彼は、
魚屋さんの前で鳴けば魚がもらえると思っていたくらいでしたが、
追い払われ、犬に吠えられ、さんざんでした。
やがて、必死についてくる子猫達の面倒をいやいやながらも見て、
何とかケイシーさんの元に帰ろうと通りを渡って…、
すると、見たくもなかった子供達が… 。
そうして、一晩の冒険の後、彼は恵まれた環境と、
どうやら、可愛がられるのも悪くないかな、と気づいたようです。
終わりの頁の彼の表情、迫力ある笑い顔に
しかめっつらから変わっているんですよね(笑)
- 作者: エリナークライマー,ロバートクァッケンブッシュ,Eleanor Clymer,Robert Quackenbush,阿部公子
- 出版社/メーカー: こぐま社
- 発売日: 1999/04
- メディア: 単行本
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「ねこのホレイショ」 エリナー・クライマー文
ロバート・クァッケンブッシュ絵
阿部公子訳 こぐま社
見開きごとに配された、オレンジとオリーブグリーンが基調の
味わいある版画の挿絵が素適です。
(イラストレーターの猫ちゃんがモデルとか…)
気難し屋のホレイショと対照的な、柔らかい表情の身辺の人たちと
背景が優しくあたたかいですが、やはりホレイショがご愛嬌です。
身辺に広がる幸せに気づいたり、成長を促す、
ちょっとした冒険物語も絵本の魅力のひとつでしょうか…。
(文庫“青い猫”# 19より)
当時の写真から
(先代父猫)
たぶん原著の初版は、もう40年くらい?も前になるようで、
時代は今よりのんびりしていたと思いますが、
誇り高きおじさん猫の困惑ぶりがおかしくも、感じ入るところも
少なくありません。絵本のよさで眺めているだけでも楽しく、
猫好きの方にもおすすめです。
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