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春の陽気から、一転して冬空に戻ってしまいましたね。
それでも、今日は、二十四節気の雨水です。
雪でなく雨、氷がとけて水に、そして草木が芽生える頃とも。
確かに、庭のあちこちで、小さな緑色の芽が出ています。
原種系チューリップとクロッカス
一昨日、シンプルで色合いのはっきりしたミッフィーの作者、
オランダのディック・ブルーナさんが他界されたという。
2011年には創作活動を引退されていたが、
ミッフィーの生誕60周年ということで、
一昨年から昨年にかけて、
日本各地でミッフィー展が開催されていた。
ところで、タイトルに書いたミッフィー展は、
その近年のものでなく、もうひと昔前にもなるものだ。
(50周年の時か)
ミッフィーって「うさこちゃん」?という素朴な疑問は会場で解消。
そうでした。
まず子どもがどこかで目にする
きれいな色彩とシンプルな描線とお話の絵本です。
特に印象的だったのは、
作者のディック・ブルーナ氏のアトリエを再現したスペースでの
実際の制作過程の映像と、他のコーナーでの上映で
作者が楽しげに朗読する様子と、自身の絵本哲学を語っていた場面でした。
彼によれば
「この絵本は誰かのではなく、その子どもの“私の絵本”となってほしい。
幼い頃に目にしたり触れるものは、その人の一部となっていくものだから大切…」
又、彼のストーリーが最小限かつ単純であるのは、
子供達それぞれの想像で膨らませていってほしいから。
彼は、マティスの切り紙絵に影響を受け、
これが描いて、切って、貼ってと、丁寧な手作業によって
絵本が生み出されていくのにつながります。
そして、あの実にシンプルな描線ですが、
これは下書きを強く上からなぞって、紙についた跡を、
ポスターカラーをつけた筆先でじっくり、ゆっくり、
丹念に点をつないでいくように埋めて描いていくのでした。
これにはちょっと驚きました。
まるで、職人さん、蒔絵の筆使いのようにさえ感じられたからです。
こうして、一見単純ながら、ゆらぎもあり、また
力強く生き生きとした線質の絵となっていたのですね。
ところで、私は書をたしなむので、線質は気になるほうです。
詩人の高村光太郎の言だそうですが、
「わたくしはまだ、一行の平安朝仮名書きの美に匹敵する外国人の
抽象的線美を見たことがない」
そう、表現停止の美と余韻ともいうようなものがある。
ちょっと話がそれましたが、要は
余計なものをそぎ落としたシンプルなものは強いのです。
実際、また、ディック・ブルーナ氏が絵本で使う色も
白とあと6色(もとは4色)だけとされていました。
そんなことを思い出して、ブルーナー氏(について)の本でも
読んでみたいなと思って、アマゾンを覗いたら、
絵本以外は、発送に時間を要することになっていました。
ミッフィーからの贈り物 ブルーナさんがはじめて語る人生と作品のひみつ (講談社文庫)
- 作者: ディック・ブルーナ,講談社
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2015/04/15
- メディア: 文庫
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『ディック・ブルーナ、ぼくのこと、ミッフィのこと』の文庫です。
その制作のこだわりからもわかるように、
ブルーナ氏はグラフッィクデザイナーとしても活躍されていました。
さて、最近、他界された児童文学作家さんというと、
日本初のファンタジー作家といわれた
私が子供の頃、読んで、(村上勉さんの絵とともに)
とても印象に残っているのは、
『おばあさんのひこうき(一覧)』です。
編み物名人のおばあさんが、ちょうちょの模様を編んでいて
ふわっと飛び上がる…あのお話、あらためて読み直したいわ。
編み物に惹かれるのは、あの頃からだったのか、な(笑)
魂とその素晴らしい作品は不滅でしょうが、
本日、取り上げたお二方のご冥福をお祈りいたします。
蛇足ながら、ミッフィーはいつも前を向いているんですよね。
こっちは後ろ姿だが
寒そうな恰好だね、早々にお部屋に戻って寝てる
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