スポンサーリンク
ジェイン・オースティンの『高慢と偏見』から
BBCの人気ドラマ以来、
ミーハーのご多分にもれず
ダーシー卿役のコリン・ファースが
出演する映画が
注目リストのいくつかとなり、
その後見たのが、『英国王のスピーチ』
なかなかよかったし、
見事、アカデミー賞を受賞した作品だが、
今回はこの話ではない。
このところ、続けて、軽いタッチの
コリン・ファースが登場するコメディを二つほど
楽しむ機会があり、記しておこうと。
『アーネスト式プロポーズ』 (2002年)
映画のタイトルは何だかよくわからない感もあるが、
原作は、オスカー・ワイルドの喜劇(戯曲)『真面目が肝心』
(原題:The Imporatance is being Earnest )
- 作者: オスカーワイルド,Oscar Wilde,西村孝次
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 1953/04/10
- メディア: 文庫
- 購入: 3人 クリック: 16回
- この商品を含むブログ (21件) を見る
「サロメ」「ウィンダミア卿夫人の扇」そして「真面目が肝要」を収録。
日本では、宝塚の演目でも取り上げられているようだ。
オスカー・ワイルド(1854-1900)は、
『ドリアン・グレイの肖像』『サロメ』等
の作品で知られるアイルランド出身の作家だが、
子どもの頃、読んだ童話でも、
『幸福な王子』や『わがままな大男』などもある。
幸福な王子というのは、街を見渡せる銅像の王子が
貧しかったり、困っている人々の暮らしを助けるため、
南の国へ渡ろうとしていたツバメに頼んで、
自身に埋め込まれた宝石や金などを届けてもらうが、
ツバメは帰る時期を逸してしまう、よく知られた、あの話ね。
で、話を映画に戻すと、19世紀、
ロンドンで遊興三昧しているアルジー(ルパート・エヴェレット)
という男が、雑務から逃れるために
架空の“バンベリー”という病身の友人を作り上げ、
事あるごとに、訪ねることにしている。
また、
田舎で謹直な叔父として暮らしているジャック(コリン・ファース)
は、やはり、息抜きのために
架空の“アーネスト”という困りものの弟を訪ねる名目で
ロンドンへ遊びにやってきては、アーネストと名乗る。
アルジーとジャックは、ロンドンでの遊び友達だ。
そして、ジャックは、アルジーのいとこの令嬢グウェンドレン
(フランシス・オコナ―)に夢中。
アルジーは、ジャックが後見人となっているセシリー
(リース・ウィザースプーン)と “招かれざる客ながら、
架空の弟アーネストになりすまして” 知り合い、恋に落ちる。
ところが、この女性陣二人ともが、それぞれ
“アーネスト”という名前の男性と結婚したいという
夢をもっていることから、話がややこしくなるのであった。
何だか、書き出してみても
まぎらわしい設定なのだが、
紳士淑女のドタバタが可笑しくも、上品なコメディ、
そして、ジャックの出自をめぐって、さりげにミステリアスな
ストーリー展開も加わって、面白い作品になっている。
ご覧のように、
グウェンドレンの母親のブラックネル卿夫人には
ジュディ・ディンチで、存在感ばっちり。
ルパート・エヴェレットとコリン・ファースの共演、
貴公子コンビは、『アナザー・カントリー』(1984年)以来。
さらに、何といっても、
英国の御屋敷と調度品、庭などの景観もとても豪華で美しい。
英国好きの人には、そうした味わいと雰囲気というか、
更に、ワイルドらしい機知に富んだ
会話のやりとりも楽しめると思う。
ところで、“Earnest” アーネスト、という名前が、
英語の“earnest 正直、真面目”という意味の語とかけて、
駄洒落になっているので、このタイトルが
活きてくるわけ。
シャレが理解しづらいので、
他国のタイトルは微妙なところ。
もう一つの、現代的なコメディについては、
またあらためて。
今日のゲストフォト
我が家の先代 貴公子コンビ(父子ですが)
応援クリック↓↓よろしくね!
ご来訪ありがとうございます。