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よみがえる楽譜と音楽-シベリウスの「樅(モミ)の木」、左手のピアニスト舘野泉氏

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台風一過ですが、21号は

かつての伊勢湾台風並みの強さとか

関西地方では甚大な被害だったようで

お見舞いと共に、少しでも早い回復をお祈りします。

 

9月に入りました。

今年は、夏の終わりから秋口にまた

久しぶりの音楽熱というか波がきて

いろいろ聴きながらも、思い出もちらほら…

ひと昔前の記事のリライトです。

 

~♪~♫ 

 

色々な楽器がありますが、かつては

身近なものといえばまず、ピアノでしょうか。

うちにも、長い間ピアノが置いてありましたが、

数年前、ついに手放すこととなりました。

いわゆる転勤族でしたから、一緒にあちこち旅したピアノでした。

最初に家に来て以来、30年以上たっていましたが、

いつしか弾くこともなく、調律もされず、

置物というか、物置(モノが載ってる)となりはて可哀想な状態でした。

 

両親が他界して、いろいろなものがしばらくそのまま残り、

何ともいえない(今なら“停滞”もしくは“凍結”したといえる)部屋でしたが、

思い切って様々なものを徐々に処分したり、新しく入れ替えました。


大物の一つがこのピアノでしたが、

海外で再生して使われるというリサイクルがあることを知り、

そちらに引き取ってもらうことにしたのです。


当日は親切な担当者が二人いらして、

ピアノを丁寧に毛布にくるみ、庭から運び出して行きました。

妹と二人でしんみり、

「ありがとう。外国で喜んで奏でてもらえますように…」。

トラックに積み込まれたピアノを見送りました。

 

昔のピアノ教本もほとんど処分しましたが、

そのまま残した輸入楽譜のコピーがありました。

私がピアノを習っていたのは中学生の僅かな時期でしたが、

その時、素適な曲を発表会用に先生が持って来てくれたのです。

 

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ロマン派のシベリウスによる『樹の組曲』でした。

中の一曲「樅の木」が、

横浜山手のイギリス館という洒落た洋館での発表会で弾いた

私の思い出の曲となりました。

小品ながら、唯一の誇れるレパートリーというところでしたが、

もはや暗譜もところどころあやしく、楽譜を見ても、

音階が広く音符をすぐ拾えない…。

 

近年になり、ピアノを演奏する友人と知り合いました。

ちょうど、彼女はちょっとしたミニコンサートで弾き始めるようになり、

レパートリーを増やしているということでした。

そんなある日、押し入れにしまい込まれた楽譜を思い出しました。

彼女に話してみると、楽譜を見たいといいます。

 

(この曲は、CDでは「アイノラのシベリウス」(舘野泉)、

「北の詩情-シベリウス:ピアノ小品集」(マリア・ヴィータサロ)等にも

入っています) 

 

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そしてこの秋、嬉しいことに、友人の素適な演奏で、

あのシベリウスの「樅の木」が聴かれます。

お近くの方、是非出かけてみてはいかがでしょうか♪

~♪~♫        (2006年10月 ミクシィ日記より) 

 

 

  

 

 

 

今となっては、私もそんなことあったんだという感じですが、

中学生の時は、確かクラスで歌のピアノ伴奏をしたこともあり、

またこのロマン派の曲「樅の木」もよく表現出来ていると褒められました。

当時は、参考になるレコードもほとんどありませんでしたが、

大人になって、CDで舘野泉さんの素適な演奏を聴き、

とても懐かしく感じました。

 

 シベリウス 「樅の木」


Jean SIBELIUS :The spruce, Izumi TATENO

 

シベリウスは、フィンランドの作曲家で

交響曲が知られていますが、こうした可憐なピアノ曲も書きました。

樹の組曲という5つの中では、ポピュラーなのが「樅の木」

3分ほどの短い曲ですが、

凛とした森林の空気感を漂わせる独特の世界観が垣間見れます。

 

また、舘野氏のCDでは、

かつてのアイノラのシベリウスが中古となり

シベリウスのピアノ小品集が

新しく出ていたのですね。

 

 

さて、素晴らしいピアニストの舘野泉さんは

1936年(昭和11年)生まれだそうですから、母と同じ歳だったのですね。

母は早く他界しましたが、今も舘野氏が御健在で

コンサートもなさっているのが嬉しいです。

2002年に演奏後に倒れ、右手が使えなくなったそうです。

その後、左手だけで演奏活動を再開されているのですが 

音楽が出来る喜びと琴線に触れるような響きが伝わる演奏です。

 

 

左手のためのノクターン

youtu.be

 

“音楽をするのに、手の一本も二本も関係はなかった”

 

“充足した音楽表現ができているのに

どうして不足など感じることがあろう”

 

映像の中では、

2004年のご著書『ひまわりの海』から引用されていましたが、

近年もまた本が出ているようです。

読んでみたいですね。

 

 

 

左手のピアニスト 「舘野泉80歳へのプロジェクト」

 

素晴らしいです。

  

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