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『老いて、若返る』人生、90歳からが面白い-日野原重明さん、堀文子さん

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高齢になられても

現役医師として知られた日野原重明さんと

日本画家の堀文子さんの対談本です。

 

 

 これは、2011年の本で、

インタビューはその前年に行われたとあります。

その後、

昨年2017年に、日野原先生は105歳で他界されましたが、

堀文子さんは、今年7月に100歳のお誕生日を迎えられたそうです。

 

nirasakiomura-artmuseum.com

 

山梨県の韮崎美術館で百寿展が開催されているのですね。

 

それにしても

お二人が、長い経歴を振り返ってもいますが、

どちらも、こんなに開けたというか、

自由な精神を持っていらしたんだと知って、

先のピアニストの舘野泉さんでもそうでしたが、

感心しきりでした。

 

www.salon-shiroineko.com

 

なるほど、皆さん、長生きでご活躍されるわけだなぁと

分かるような気がします。

 

  

 

 

日野原重明さんは、

90歳を過ぎても現役のお医者さんとして、

また、その他にも様々な仕事こなされ、

とても多忙な日々を送ってこられたようです。

若い頃は、ピアノを弾かれて、音楽家になりたいと

思っていたこともあったそうですが、結局、

子供の時に母親を救ってくれた医師への憧れや

成人して読んだシュヴァイツァー博士に感動して

医師への道を歩まれたとのこと。

 

また、堀文子さんは、子供の頃は

科学者になりたかったそうで、

望遠鏡で星を観測したり、顕微鏡でゾウリムシを見たり

していたと言います。その頃から観察眼が養われて

いたのかもしれませんね。

当時では進んだ考えをもっていらしたお母様の影響で

職業婦人を目指し、画家になったといいます。

 

お二方とも、いくつになっても好奇心や気の向くまま

興味を持ったこと、新しいことに精力的に取り組む姿勢が

共通していて、とても印象的です。

高齢になっても、海外へも積極的に出られています。

堀さんは81歳、日野原さんは93歳でヒマラヤを見たくて

ネパールに行かれた時の話など、興味がつきません。

 

堀文子さんは、植物画で知られている日本画家ですが

画壇には属さず、住む場所もあちこち変わり、

絵のモチーフも、画風もどんどん

変わっているといいます。

本の巻頭にいくつか作品が載っているのですが、

植物画のイメージとはまた全然違う

自由な自然と生命への賛歌が感じられ

とても惹かれるものばかりでした。

 

 画風が定まらないのはなぜですか、と、よく聞かれました。日本画家というのは得意のテーマがあるのが常識とされ、それぞれに画風というものがあります。ところが、私の場合は「その日の自分」を描くんです。人間は毎日変わるものですから、私の画風はひとつではないのです。認められないのは、当然でした。

 

また 

対談の記述の合間に、お二人の含蓄ある

多くの著書からの言葉も散りばめられていて、

パラパラと見ていても、心に留まるものばかりです。

 

人はみなそれぞれ幼児期の記憶を探し求めながら、

この世を生きているのかもしれません。(堀)

 

幼い頃からの体験、特に美術的、文化的体験が、

本当に現在の自分に大きな意味をもたらしていると

感じます。    (日野原)

 

知識も説明もいらず、美は時空を超えて感応する者の

魂を揺さぶる電流のようなものです。  (堀)

 

医療は人の「体」にタッチするアートです。そして

絵画や音楽は、人の「心」にタッチするアートです。(日野原)

 

美や真理は無駄の中にあり、私の人生も富とは

無縁だと思っています。   (堀)

 

アートは人間の本質です。人間の本質とは命ということです。

その命を健やかに保つようにするのが医療なのです。(日野原)

 

 個人的にも、アートの本質や自然観の話や、

モンゴロイドの血なのか、堀さんが

マヤ遺跡のあるメキシコで民芸品の模様を見て

「初めて同じ民族の感性に会ったような気がして胸が踊りました。」

にどこかで共鳴しちゃったり…(笑)

巻頭の絵にも「インカの祭り」2007年がありました。

 

これほどの奇跡をつみあげた生命の惑星を育てあげた

地球自体が、途方もない生命体だったのはないか。 (堀)

 

命の源は宇宙に存在する。宇宙の偉大な力が自分に命を与えて、

生かしてくれているのだと日々感じています。  (日野原)

 

私が確かに生きている今日。全身全霊を傾けて、考え、嘆き、

感動することのできるのが今という時間なのです。 (堀)

 

私たちが実際に音楽を聴いたり絵を見たり書を見たりするとき、

私たちは心の中にある感動を感じます。その感動が内的な

エネルギーのようなものを発して、一緒に世界の中を生きようと

いうような気力が起こっていきます。  (日野原)

 

最近は、図書館でも

事前に読みたい本をリクエストしたり、

検索して選びだすことも多かったのですが、

それでもふと、書棚で目が留まるものもあり、

これもその一冊で、読んでとてもよかった。 

 

 

 

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庭木の剪定をちょっとだけしたら、余裕の現場監督がいた…。 

 

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