エブリディ・マジック-日だまりに猫と戯れ

草木と庭と猫と…本や日常のあれこれ、小さな発見

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『ほんとうの空色』バラージュ・ベーラ 岩波少年文庫

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今朝のヨウラクアジサイ

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もう一つ

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お盆も過ぎようと、八月なかば。

今日は、結局、雨降りになった。 

涼しいを通り越して、夏服だと肌寒いくらいかも。

夏はどこへ?

暑いよりは助かるといいながら、

春先もそうだったが、季節はずれの天候続き。

 

青い空も久しく広がっていないな~。

 

というところで、岩波少年文庫の一冊を。

 

ほんとうの空色 (岩波少年文庫)

ほんとうの空色 (岩波少年文庫)

 

 

絵が上手なファルコーは、

貧しくて自分の絵の具をもっていなかったので、

貸してくれた子だけに絵を描いてあげていた。

ある日、借りた中から、あい色の絵の具をなくしてしまう。

 

不思議な用務員さんが

お昼の鐘がなると一分だけ咲くという野の青い花をつんで、

絵の具にしたらいいと教えてくれた。

 

それは「ほんとうの空色」で、

太陽や月・星が輝き出し…不思議な出来事の始まりだった。


ひみつのなかまと、ファルコー自身の不思議な体験。

素晴らしく貴重な空色も冒険と共になくなり、

思いがけず、最後に残ったひとかけらの「ほんとうの空色」もやがて…

 

絵画的で美しい描写や、

少年が大人になっていく通過儀礼のような

象徴的なラストが印象に残る作品。

 

作者はハンガリーの多才な作家で、

オペラの「青ひげ公」の台本を書いたり、

映画人としても活躍したそうだ。

蛇足だけど、ねこのツィンツも面白い存在。

(文庫“青い猫”としてもね、笑) 

そして、大社玲子さんの挿絵も好きだな。

 

 

  

 

 

今日の一枚。

 

ポストカードこらーじゅ 95

 

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 まったり、ゆったり、猫便り

 

和風のミニお手紙セット&

ポチ袋をアレンジした一枚。

 

HAKUBA 和紙 ミニレターセット ネコ便り 封筒4枚 FML14501

HAKUBA 和紙 ミニレターセット ネコ便り 封筒4枚 FML14501

 

 

何か文字を入れてもよかったんですが、

あえて、和箋の余白をそのままで。

赤はともかく、ミントグリーン系の地が、

かろうじて涼しげかな(笑)

和紙のわずかに、けばだった風合いに、

まるい感じの猫の雰囲気が、まったりしています。


あせらず、あわてず、ゆったり気分でお便り…

今の時代には貴重かも。

 

 

雨の日続き、朝出て、戻った後はよく寝ているね~。

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『迷い鳥』タゴール詩集の新装完訳本-心を澄ますもの

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ヨウラクアジサイが二つ開花中。もう一つはまだ蕾(木の陰)

 

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1 夏の迷い鳥が、わたしの窓にきて、うたをうたい、飛び立つ。

  そして、秋の黄ばんだ木の葉が、うたうでもなく、吐息まじりに舞い散る。

                                      『迷い鳥』 タゴール

 

1 STRAY birds of summer come to my window to sing and fly away.

       And yellow leaves of autumn, which have no songs, flutter and fall

  there with a sigh.

                                         “Stray Birds” Rabindranath Tagore 

 

 

図書館の書棚で、ふと

タゴールの詩集『迷い鳥』の

新装版(2015年)が目に留まった。

 

手にすると、

左ページに、川名澄さんの訳による日本語

右ページには、英文の詩が載っており、

どちらの言葉でも味わえるのが嬉しい。

しかも完訳という。

時々、気が向くまま頁を繰るために

これは、私の手元に置きたい一冊かも。

 

タゴール詩集 迷い鳥

タゴール詩集 迷い鳥

 

 

この本では、 ロビンドロナト(とあるが、ベンガル語

他では、ラビントラナート(ヒンドゥー語とか)・タゴール

Rabindrahath Tagore (1861-1964)は

インドの詩人、思想家。

神への捧げ歌である『ギタンジャリ』(1910年)で

アジア人初のノーベル文学賞を受賞している詩聖だ。

 

ギタンジャリ (レグルス文庫)

ギタンジャリ (レグルス文庫)

 

 

以前、この中から、書のブログで紹介している。

koboaoineko.hatenablog.com

 

 

  

 

 

さて、

『迷い鳥』(1916年)の巻頭には、

日本滞在時に世話になった

“TO T.HARA OF YOKOHAMA”  横浜の原富太郎に

との献辞が捧げられている。

 

日本や日本人の伝統文化と美意識を評価し、

関心も深かったタゴールは、

1916(大正五年)から、1929(昭和四年)まで、五回ほど

日本を訪れており、岡倉天心横山大観などとも親交があった。

また、一方で

当時の日本政府の軍国主義への傾斜へ痛烈な批判をも浴びせ、

政府関係者のひんしゅくをかい、

冷笑的に扱われていたこともあったようだ。

 

『迷い鳥』の中には、

326篇の短詩とアフォリズム

実に、シンプルな言葉で収められている。

 

 22 わたしが存在することは、ひとつの果てしない驚き、それがいのち。

   THAT I exist is a perpetual surprise which is life.

 

18 あなたが何者なのか、あなたには見えていない。あなたに見えている

        のは、あなたの影。

  WHAT you are you do not see, what you see is your shadow.

 

20 わたしは、いちばんよいものを選ぶことができない。

  いちばんよいものが、わたしを選んでくれる。

  I CANNOT choose the best.

       The best chooses me.

 

 116 大地は今日、陽ざしを浴びて、わたしにくちずさんでくれる。

   まるで糸を紡ぐ女のように、はるかな昔の民謡かなにかを、

   忘れられたことばで。

    THE earth hums to me to-day in the sun, like a woman at her  

            spinng, some ballad of the ancient in a forgotten tongue.

 

暑さは免れているが、

梅雨のような日々、

ちょっとジメジメして鬱陶しいが、

タゴールの詩を読んでいると、

気持ちが落ち着いてくる。

 

321 わたしは山のいただきをきわめて、名声の荒涼として不毛な高みが

   終(つい)のすみかでないことを悟った。わたしをみちびいてくだ

   さい、先達よ、とっぷりと日が暮れないうちに、人生の収穫からま

   ろやかな黄金の智慧がもたらされる平和の谷へと。

 

   I HAVE scaled the peak and found no shelter in fame's bleak and

           barren height. Lead me, my Guide, before the light fades, into the

           valley of quiet where life's harvest mellows into golden wisdom.

 

 

何だか湿気っちゃっていた気分も、

詩を読んで、復活したようね。

今日は、ブログも書くつもりなかったが

(詩を書き留めておきたくて)書けちゃった(笑)

私は、こうした魂の糧を大切にしたい。

 

17 これらのささやかな想いは、かさかさと木の葉の擦れ合う音。それ

        は、わたしの心のなかで、よろこびのささやきとなっている。

  THESE little thoughts are the rustle of leaves; they have their whisper

       of joy in my mind.

 

 

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映画『ハワーズ・エンド』-美しい郊外の邸宅の後継と人間模様/文芸作品、テレビドラマ化へ

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イギリスの作家E・M・フォスター(1879-1970)の小説

ハワーズ・エンド』というのは、

イギリス郊外の邸宅の名前である。

 

ハワーズ・エンド (池澤夏樹=個人編集 世界文学全集 1-7)

ハワーズ・エンド (池澤夏樹=個人編集 世界文学全集 1-7)

 

 

巻頭のページに記された

“Only connect…” (オンリーコネクト)

「ただ結びつけることさえすれば……」(吉田健一訳)

 

小説の書き出しは、 

まず、ヘレンがその姉に宛てた何通かの手紙から始めたらどうだろうか。

で、始まり、“古くて小さくてなんとも感じがいい、赤煉瓦の家”

ハワーズ・エンドに招かれ泊まっていた妹のヘレンの手紙へと続く。

 

 

 

  

 

 

この文芸作品の見事な映画化は、1992年で

眺めのいい部屋』(1986)『モーリス』(1987)と知られた

ジェイムズ・アイヴォリー監督による。

 

ハワーズ・エンド [DVD]

ハワーズ・エンド [DVD]

 

 

一面に咲くブルーベルの草原を歩く姿など、

美しい映像も印象に残る。

アンソニー・ホプキンズや

エマ・トンプソンといった充実した俳優陣で

大変、素晴らしい映画となっている。

 

主な登場人物は、 上流中産階級

知的・芸術的で理想主義なシュレーゲル姉妹と弟、

(姉をエマ・トンプソン、妹がヘレン・ボナム=カーター)

片や、現実主義で資産家のウィルコックス家の人々。

(ウィルコックス氏をアンソニー・ホプキンズ)

そして、シュレーゲル姉妹の知人となる

繊細な青年レナード(サミュエル・ウエスト)は

裕福さとはほど遠い下流中産階級であった。

 

20世紀初頭のイギリス

同じ中産階級でも、本質的、文化的指向が異なる彼らが、

唯一、ウィルコックス家で芸術性を解していた

夫人ルース(ヴァネッサ・レッドグレイヴ)の生家であり、

遺産となった、ハワーズ・エンド邸をめぐって

いわば運命的に結びついて

繰り広げられる人間模様が描かれていく。

 

実は、ウィルコックス夫人は、病で亡くなる前に

ハワーズ・エンドをマーガレット・シュレーゲルに譲る”と

書き残していたが、鉛筆の走り書きであったため

遺族のウィルコックス氏と子供たちは、相談の上

とりあわないことにして、燃やしていた。

 

彼らにとってはハワーズ・エンドというのは一軒の家で、それが故人にとっては一つの精神であり、故人がその精神的な後継者を求めていたことは彼らに解るはずがなかった。  136頁

 

その後、ウィルコックス氏は、シュレーゲル姉妹の姉

マーガレットに惹かれて再婚し、二つの家族は

結び付けられていく。しかし、妹のヘレンは

知人のレナードが職を失ったきっかけとなった

ウィルコックス氏を許せない。

ハワーズ・エンドは、ウィルコックス氏が所有し、

息子のチャールズが継ぐことと

なっていたのだが…。

 

最終的には、

家(邸宅)が住む人を選んだ、かの如く、

異質にみえた、あらゆるものが結びつき、

ルース(前ウィルコックス夫人)の願ったとおりに

その精神性も引き継がれていくであろう、との

不思議なめぐり合わせに、深く感じ入ることになる。

 

異なる文化や階級の結びつき、寛容と許し、

といったテーマが、フォースターの作品に

流れているという。

  


Exclusive: HOWARD'S END Movie OFFICIAL TRAILER - Anthony Hopkins - Remastered Edition, 2016 HD

 

  

ところで、同じアイヴォリー監督で

アンソニー・ホプキンズと

エマ・トンプソンの名演による

英国の屋敷をめぐる名画といえば、

カズオ・イシグロ原作の

日の名残り』(1993)もある。

 

 

 

さて、ついに

この『ハワーズ・エンド』を、

テレビドラマ化することになって、

キャスティングも決まってきたらしい。

 

dramanavi.net

 

映画でエマ・トンプソンが演じたマーガレットを

ヘイリー・アトウェル

同じくアンソニー・ホプキンズのヘンリー役に

マシュー・マクファレン。

はて、どこかで聞いた名前と思ったら、

映画の『プライドと偏見』のダーシー役でしたね。 

プライドと偏見 [DVD]

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イギリスでのドラマが出来上がったら、

日本でも見たいなぁ(笑)

 

映画を見てから、

今、原作を読んでいる。

劇的な物語性を押し出すものでもなく、

事細かな人々の描写と心理が描かれはするものの、

淡々と進んでいく作品。

 

オースティンの作品と同じように

それでも、惹きつけられる何かと味わいがあり、

人間についても、出来事についても、全ては

あらゆる側面があって、短絡的な理解は求められない。

それでも、人は繋がり、時に衝突し、折り合い、

という、ある意味、人生の真実を垣間見るような

深みと広がりを呈してくれる。

 

イギリス文学は、老成、いや成熟した文学

とも言われる面もあるのだが、

この本は、ある程度、年を経てから

今、手にしてよかったと感じる。

 

かくして、興味を持った

一冊の本、はたまたDVDが、

次の作品を連れてくる。

日常の諸事の合間に、別世界へ移動しつつ、

(いや、そのエッセンスは、普遍的なものでもあり…)

あれも見たい、これも読みたい、と

あっというまに日が過ぎる…のであった。

 

 

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映画『ロイヤル・セブンティーン』爽快でハートウォーミングなコメディ

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秋かと思うほどの涼しさ、

数日、曇りがちに雨降りでしたが、

今日は日差しが戻ってきたようです。

 

 

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シモツケ ホワイトゴールドが再び花をつけています。

 

今朝のヨウラクアジサイ 

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これは、家族が借りたものを

思いがけず観ることになったのだが、

とっても面白かった。

 

主人公のダフネ役のアマンダ・バインズが

とてもキュートだし、

パパ役が、コリン・ファース

アマンダは、コリンがパパということで

役柄を引き受けたとか(笑)

アマンダのママ、

チャーミングなリビー役が、ケニー・ブレストン

楽しく、可笑しく、笑いながらも、

結構、ほわっとする

ハートウォーミングなストーリーでもある。

 

原題は、“What a girl wants

監督は、デニー・ゴードン

原作は、イギリスの作家 ウィリアム・ダグラス=ホームの

舞台劇(1955年)“The Reluctant  Debutante” という。

 

ニューヨークのチャイナタウンに住むダフネは

愛するママ、リビーから、いまだ会ったことのないパパ、

ヘンリーとのロマンスを聞きながら育ち、

ずっとそのパパに会いたいと願っていた。

17歳になり、単身、パパ、ヘンリーの国イギリスへ。

 

有名人、ヘンリー・ダッシュウッド卿であるパパは、

折しも、選挙活動の真っ只中。

しかも、婚約者と義理の子どもまでがいたのだ。

がっかりして、そのままアメリカに戻ろうかと迷うが、

パパへの想いが断ち切れないダフネは、屋敷に忍び込む。

 

一方、17年前、知らぬ間に姿を消した(実は追い出された)リビーが

自身の子供を産み育てていたことも、知らなかったヘンリー

ダッシュウッド卿)は、ショックを受けながらも、

娘のダフネを迎え入れ、屋敷に逗留させる。

 

突然現れた実子を邪魔もの扱いする周囲の思惑と、

戸惑いながらも、次第に増していく父と娘の

親子の愛情が交差しつつ、気づいていく

本当に大切なもの…。

 

格式と因習の世界に、

吹き込んできた解放的な新風に

巻き起こる騒動が笑えます。

パパのために、お嬢様になろうと奮闘するダフネの

並行して描かれる恋もチャーミング。

 

 


What A Girl Wants: Trailer (2003)

  

人気のDVDは、 2015年に、新盤が出ています。

 

 この制作陣は、『アリ―・マイ・ラブ』

セックス・アンド・ザ・シティ』と同じだったのですね。

 

英国王室のそっくりさんが登場したり、また

ザ・英国紳士という感じのコリン・ファースですが、

彼が、ターバンを巻いたり、なんと

ピチピチの革パンをはいて踊りまくる姿!(爆)など

(上に載せた英語のトレーラーにもちらと出てた)

ファンは、思いがけず愉しめるシーンもあります(笑)

 

余談ながら、嫌味な婚約者役のアンナ・チャンセラーは

BBCドラマの『高慢と偏見』でも主人公エリザベスに

意地悪していたミス・ビングリ―役の女優さんでした。

また、日本では公開されていないようですが、

悪妻といわれたシェイクスピアの奥さん役も演じたらしい。

ああいう嫌な女という役柄がなぜか似合う、

というかうまい(笑)

 

とにもかくにも、テンポと

ノリのいい軽~いコメディ。

爽快な後味は、クセになる…

また観たくなる面白さでした。

 

 

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映画『真珠の耳飾りの少女』ーフェルメールの絵に秘められた物語

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オランダでは、モナリザとも称される絵画

フェルメールの作品  “真珠の耳飾りの少女

 

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(画像は、真珠の耳飾りの少女 - Wikipedia から転載)

 

背景もなく、振り向くように

こちらを見て佇む少女の肖像。

その表情が語りかけてくるものには、

想像をかきたてるものがある。

 

実際、誰がモデルなのか

誰の注文を受けて描かれたのか、

どういう経緯だったのか、

一切が、謎のままで

絵画だけが残って

密やかに語っている。

 

そんな謎めいた絵画の背景を紡ぐように

小説が書かれている。 

 

真珠の耳飾りの少女 (白水Uブックス)

真珠の耳飾りの少女 (白水Uブックス)

 

 

 

 

  

 

 

その小説をもとに

映画化された作品が

真珠の耳飾りの少女』 (2003年)

原題 “Girl with a Pearl Earring”

 

真珠の耳飾りの少女 通常版 [DVD]

真珠の耳飾りの少女 通常版 [DVD]

 

 

この映画のヒットもあり、

絵画の題名も、“青いターバンの少女” などから

この映画タイトルで、一般的になったようだ。

 

何といっても、

映像が絵画のようにも印象的で、素晴らしい。

当時のオランダの街の様子や風俗・暮らしなどと共に

閉塞的で緊張感もある画家の生活と姿が

奉公することになった一人の少女との出会いによって

描き出されていく。

 

ヨハネス・フェルメール(1632-1675)は、

同じオランダのレンブラントと共に、17世紀を代表する画家。

しかし、残っている作品は30数点と少ない。

 

日本では、人気のある画家だと思うが、

私はこれまで、レンブラントほど印象になかった。

ちなみに、レンブラントの絵は、

近場の川村記念美術館で、観賞したことがある。

素晴らしかった。

 

さて、映画でも出てくるが、鮮やかな青色は

フェルメール・ブルー”と呼ばれ、

ラピスラズリに含まれるウルトラマリンの顔料という。

 

 

youtu.be

映画のトレーラー(字幕版)

 

映画では、フェルメール役に、コリン・ファース

少女グリートが、スカーレット・ヨハンソン

 

タイル職人の父親が事故で仕事につけなくなったため、

かわりに、娘のグリートは奉公へ。

プロテスタントであったが、カトリックの)

画家フェルメールの家で、住み込みの女中となる。

 

やがて、グリートには

色彩感覚の美的才能や、絵心があることに

気づいたフェルメールは、アトリエで

色の調合などを手伝わせるようになった。

そして、フェルメールパトロンの意向もあり、

グリートを絵のモデルとして描くことになるのだが、

グリートに嫉妬した夫人がアトリエへ乗り込んでくる。

そこで目にした、自身の真珠の耳飾りをつけた少女の絵に

逆上する…。

 

フェルメールの絵に心酔するグリートが

徐々に画家に恋心を抱き始める様子や

画家が芸術的な魂を共有できるグリートを

好ましく感じているのが、寡黙な二人の間で

静かに伝わってくる。

絵を見たグリートが

「心まで描くの?」とつぶやくのも印象的。

 

台詞も少なく、静謐さの中の

いわばプラトニックな交流なのだが、

グリートとフェルメールのやりとりの

場面場面が、印象深く

実に官能的。

 

次第に

スカーレット・ヨハンソン自身が

絵画そのものにも見えてくるから

不思議なものだ。

これは、お話なのだとわかっていても

思わず、その世界観に浸ってしまう

映画というのもすごい。

 

このところのDVDは

何だかコリン・ファース祭りにも

なっちゃっているが(笑)

観終わって、

スカッと楽しいコメディもいいし、

じんわり余韻が残っていく

こうした作品も素晴らしいなと思う。

 

ところで、おまけ、というか

ちょっと楽しいこんな本もみつけた。 

 

こどもと絵で話そう ミッフィーとフェルメールさん

こどもと絵で話そう ミッフィーとフェルメールさん

 

 

美術展の特別企画本ということだそうだが、

おなじみのミッフィーの絵本と同じ感じで、

ミッフィーのお父さんとミッフィー

フェルメールさんの絵を見ていく。

 

“こどもと絵で話そう”というだけあって

わかりやすい。確かに、お子さんと楽しめそう。

知らなかった絵もあって面白かった(笑)

そう、フェルメールさんは、

ディック・ブルーナーと同国の画家だったね。

 

 

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