前回の絵本は、絵を描くのが好きなねこさんのお話でした。
おそらく、ごく小さい頃は誰でも、何かを描くのは楽しいと
思っているのではないでしょうか。
クレヨンを選んで画用紙に描く、だけではなく、棒の切れ端で地面に、
あるいは歓迎されない場所にも、そこらじゅうに…
(これは、いわゆる落書きですかね)。
上手ね、とか下手ねとか、周囲から言われ始める以前なら、
きっとただ面白かったのでしょう。大きくなって、
やはり絵を描いているとしたら、好きだから、
または何か描きたい対象があったからかもしれません。
一人暮らしのエマおばあちゃんのお誕生日。
たまに訪ねてくる子供達、お孫さんに曾孫さん達がお祝いに来て、
エマが育った故郷の小さな村の絵をプレゼントしてくれました。
お礼を言って、壁にかけた綺麗なその絵でしたが、しかし、まるで違う…
エマが育った村とは変わってしまっていました。
「まいにち えを みるたびに、おばあちゃんは
おでこに しわを よせました。
おでこの しわは、ひごとに ふかくなって いきました。
あるひ とうとう、エマおばあちゃんは けっしんしました。
おみせに でかけて、えのぐと ふでと イーゼルを かったのです。」
エマは、自分が育ったその村を覚えている通りに、自分で描き始めます。
そして、これが、彼女の新たな暮らしの始まりだったのでした。
彼女は、自分の絵を見てにっこりし、絵を架け替え、
子どもや孫達が来る時には貰った絵に戻しておきます。
しかし、ある時うっかり架け替えるのを忘れ、内緒はばれ、
皆を驚かせてしまいます。が、結局、励ましを受け、
その後は更に精力的に絵筆をとるようになるのです。
グランマ・モーゼスではありませんが、エマ・スターンという、
やはり年配になってから画家としてのキャリアをスタートさせた
実在の女性がこのお話のモデルになっているそうです。
絵本の絵も、バーバラ・クーニー(絵本『エミリー』で紹介)が、
そのエマさんの絵画を基に描いたということですが、
非常に明るく、素朴であたたかい素晴らしいものになっています。
ところで、エマおばあちゃんと一緒に住んでいるのは、
しましまねこの“かぼちゃのたね”です。
何とも可愛らしいネーミングですよね。
それにしても、自分で楽しめる何かがある人生は、いつでも豊かですね。
- 作者: ウェンディケッセルマン,バーバラクーニー,Wendy Kesselman,Barbara Cooney,もきかずこ
- 出版社/メーカー: 徳間書店
- 発売日: 1998/07
- メディア: 単行本
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「エマおばあちゃん」ウェンディ・ケッセルマン文 バーバラ・クーニー絵
もきかずこ訳 徳間書店
(文庫“青い猫”#5より)
しかし、時期とはいえ、寒いですね~。
室内への、猫の戻りが早いのが救いですが(笑)
そういえば、初めて猫を迎えたのは、この寒い時期でした。
すでに、シニアの彼ら(10歳と8歳)でしたが、
今思えば、ほんとに若々しくて、元気だったんですね。
しかも、こちらに猫の知識がなかったので、
見ても、年配だとも思いませんでした(笑)
人も猫も、年齢は、個体差なんだな~。
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