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『ターシャ・テューダーへの道』食野雅子さん-翻訳者が語るターシャと暮らし

 

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絵本作家のターシャ・テューダーは、

その美しい豊かな庭と共に、暮らしや生き方も広く知られ、

とても人気があります。

 

www.salon-shiroineko.com

 

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現在、山梨県北杜市には、こぶりながら充実した内容の

ターシャ・テューダー ミニミュージアムがあるようですね。

その設立・運営者でもあり、

ターシャと、本の翻訳を機会に交流があった

食野雅子さんによる一冊が、春先に刊行されています。

図書館で目に留まったので、早速、頁を繰りました。

 

ターシャ・テューダーへの道

ターシャ・テューダーへの道

 

 

ターシャの本の翻訳を通し、

ターシャに憧れ、実際に会って話し、

交流を重ねた食野さんが語る内容は

これまでの本で知ったものを更に

息吹を与え、その面影をより身近に

感じせてくれるものとなっています。

 

ハードカバーの本は22㎝角で

読み応えのある内容と共に

合間に織り込まれた写真がまた

見開きで2頁に渡るため

見応えがあって素敵です。

 

私たちが実際に会うようになったとき、ターシャはすでに80代。もう運転はしていませんでしたが、すたすたと歩き、庭の斜面もひらりひらりと駆けおり、年齢をまったく感じさせませんでした。キッチンの段差も、スカートの裾をひるがえしながら、ぴょんと上がったり下りたりするのが、とてもかわいらしく見えました。

 老いを感じていないわけではないのです。鶏はまだ飼っていましたが、ヤギは手放し、ヤギ乳は知り合いの農場やブラトルボロの生協から購入するようになっていました。でも、「年齢とともに体が変化するのは当たり前。変化した自分を受け入れて、今、自分にできることを楽しめばいいのよ」とケロリとしたもの。日本ではアンチエイジングが盛んに叫ばれているのに、こういう年の取り方もあるのだと、勇気づけられました。

 

古風な暮らしぶりから、ともすれば

頑固だったのではとも思われがちですが

合理的で柔軟、臨機応変な人だったと

いいます。

 

 ターシャは毎日、午後4時になると「お茶の時間」を楽しみました。人が来ていればみんなで一緒に。ポーチに座ってお茶とお菓子をいただきながら自由におしゃべりするこの時間は、なんとも格別でした。

 夏なら、柑橘類の果汁をたっぷり搾って、ジンジャーエールと紅茶で割ったアイスティーが定番です。手伝いに行くと、電動果汁搾り器が調理台の上に。こんな電気器具も使っていたのですね。「これ、うちで使っているのと同じです」と言うと、「あら、そう」と笑っていました。仕上げにはミントの葉を浮かべます。「ミントを浮かべないとだめなの」と強調するのを聞いて、「手を抜くところは抜くけれど、こだわるところはこだわるのだ」と実感しました。このアイスティーのレシピは、孫のウィンズローがまとめた『ターシャ・テューダーのファミリー・レシピ』に載っています。 

 

このお孫さんの本には、ターシャのレシピと共に、

育てていた野菜をどのように管理していたかも書かれ、

ターシャがいかに本格的に野菜栽培をしていたか

わかるとあります。

 

 そうはいっても、あの広大な庭 "も" 管理し、合間に機を織り、服や人形を手作りし、人とも会い、読書もし、絵も描く……。いくら「私はいつだって何かしています」と言っても、1日は誰でも24時間。どうやって時間をやりくりしていたのでしょうか。それを指摘すると、「19世紀の女性はみんなそうしていたのよ」と笑われました。そういえば日本でもちょっと前までは、家庭の主婦が着物をほどいて洗い張りし、仕立て直し、布団の綿を打ち直してもらっては詰め直していましたね。長年やってきたことは手や体が覚えていて、要領もわかっているので、手早くできたのでしょう。

 

  

 

第2部ではターシャの生い立ちを追っており、

若きターシャが庭で本を読んでいたり、

馬に颯爽と乗って微笑んでいる姿などもあり

印象的でした。

 

年配のターシャのイメージが強いですが、

私たちを魅了するターシャと庭や暮らしは

それまでの長い暮らしの積み重ねや流れで

花開いたものだということもわかります。

 

 ターシャの生涯をふり返ってみると、56歳のときに突然思いついてバーモントの暮らしを始めたのではないこと、小さいころからの積み重ねであの生活があることがわかります。とはいえ、ただ流れに身を任せていたわけではありません。子どものころからの思いや夢を忘れず、与えられた環境の中で、得られるものを自分のものにしながら努力してきたら、夢が叶っていった──そんな感じです。だから、もし途中で違う道が開けていたら、ターシャの人生は違うものになっていたかもしれません。

 

それでもたぶん、変わらないだろうと思うのは、

ターシャの「人生を楽しむ精神」で

編集者のアン・ベネデュースも

「ターシャは生活を楽しむ名人だった」と

語ったそうです。

生きることを楽しむ、

このあたりも、私たちを惹きつけてやまない

ところかもしれませんね。 

 

さて、ちなみに最初に触れた

ターシャ・テューダー ミニミュージアムですが

 

www.ttmmuseum.com

 

ターシャが描いたグリーティングカードや原書、

手作りドレスや人形、自筆手紙やスケッチ、

住まい(コーギー・コテージ)の模型、写真などが

展示されているそうです。

 

lovegreen.net

 

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