エブリディ・マジック-日だまりに猫と戯れ

草木と庭と猫と…本や日常のあれこれ、小さな発見

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『さむがりやのサンタ』レイモンド・ブリッグスー楽しいクリスマス絵本から

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門脇のモミジ

 

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常山アジサイ ”碧の瞳”の実が青くなってきました。

 

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ぐんと寒くなりましたね。

冬らしくなっちゃったところで

クリスマスシーズン記事(リライト)です。

とはいえ、今のとこ個人的には

あまり盛り上がってませんが(*´∇`*)

今日は、なぜか ”ツボ”の

お気に入りの絵本の一冊です。

 

さむがりやのサンタ (世界傑作絵本シリーズ)

さむがりやのサンタ (世界傑作絵本シリーズ)

 

 

 どうやら、

夏のバカンスで日光浴を満喫、といった夢を見て、寝ているおじいさん…。

と、リーン!リーン!と鳴った目覚まし時計をぱちん!と止め、

掛け布団の上で寝ていた猫のクロも飛び起き、

日めくりの12月24を見て「やれやれまたクリスマスか!」

 

ベッドの足元のスリッパの上の犬のポチをどかし、

パジャマの上にガウンを着込み、紅茶をいれるお湯を沸かして…。

 

カラフルなコマ割りで、丁寧に描かれた、

実はサンタのおじいさんの忙しい一日が始まりました。

 

「スノーマン」で有名なイギリスのレイモンド・ブリッグズ

「さむがりやのサンタ」“FATHER CHRISTMAS”は、実に愉しい絵本です。

 

 

 

ぶつぶつ言いながらも(漫画のふきだしに台詞が少しついて)、

ポチとクロ、ニワトリ、そしてトナカイに優しく世話をしながら、

自分の身支度、食事、ストーブに石炭をくべ…といった

細々とした日常のあれこれを済ませ、ソリにプレゼントを積み、

サンタの服装に整えて、戸締りをして、仕事に出かけるのでした。

 

時計を見ながら、あちこちにプレゼントを配ってまわります。

その様子は勿論、途中で屋根の上で持ってきたサンドイッチと紅茶を飲み、

ラジオで天気予報を聞いて(トナカイ達も餌を食べ)たり、

と何ともユーモラスな姿が、事細かに描かれます。

最後に女王一家の館にも寄って、無事帰宅。

 

トナカイをねぎらい、又「おいしい紅茶をわかして…」、

ポチとクロに餌をあげ、自分のクリスマス・ディナーの用意、

お風呂に入って…、とまあ、いったぐあい。

 

いかにも、イギリスらしく、こんなふうに生活のディティールが

描かれているのがほほえましく(私の好みにも合い!)

繰り返し見ていても飽きません。


さすがに、ブリッグズのイラストは色彩も大変美しく、

素晴らしい絵本になっています。

 

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今は昔!の懐かしい写真(笑)

 

オンライン書店のレビューに

“微笑ましくも人間的な、でも働く独居老人の人生の楽しみ方”なぁんて、

書いていた人がいましたが、そうなんですよね。


サンタさんに、と置いてあったジュースにふん、と言い、

お酒にはそうこなくっちゃ…って具合、

確か、入れ歯の手入れもしていましたっけ。


細々とした日常の雑事を淡々とこなし、

自分でいろいろ整えて楽しく暮らしている。

そんな逞しい姿には、励まされる思いすら…。

 

南の島に憬れるおじいさんが、

部屋のあちこちにポスターを貼っていたようでしたが、

そんな続編?もあるようです。「サンタのなつやすみ」(あすなろ書房

 

いずれにせよ、寒いこの季節、見ているうちに気持ちもぬくぬくしてきて、

大人も楽しめる絵本ではないでしょうか。 

もちろん、(コミック絵が主体なので)英語でもいいかもしれませんね。

また短文ながら、翻訳の素晴らしさもわかるかも。 

 

 

  最後に、クロとポチにもそれぞれプレゼントをあげて、布団に潜り込み

「ま、おまえさんもたのしいクリスマスをむかえるこったね」と

私達に一言で、又笑えます。

               (文庫“青い猫” #8より)

 

かつて、ミクシィで、クリスマスに限らず、

読んで(見て)よかった絵本を紹介していた頃、

工房ならぬ、文庫“青い猫”と称して載せていました。

その後、本も絵本もだいぶ手放しましたが、(この絵本はあります!)

丁寧に書いておいてよかったと思います。 

絵本と児童文学も好きなので、そのカテゴリー

絵本・児童書(文庫”青い猫”)をこのブログでも設けていますが

50冊(記事)くらいになってるようです。

 

 

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『クリスマス人形のねがい』ルーマー・ゴッデンのお話&バーバラ・クーニーの絵-楽しいクリスマス絵本より

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今年は11月から冷え込みが少なく

ここしばらく暖かい日も多かったですが

今日は冷たい雨です。(明日はまた気温上がるとか…)

寒いと、12月だったと思い出し(笑)

シーズンもの、クリスマス絵本の登場(リライト)です。

 

 

何かを強く願えばかなう…、つまり、願わなければかなわない!?
 
さて、クリスマス…これは、お人形と女の子の願いごとの物語です。

 

クリスマス人形のねがい (大型絵本)

クリスマス人形のねがい (大型絵本)

 

 


おもちゃの店では、クリスマスの、赤いドレスに緑のペティコートをまとった

真新しいお人形のホーリー(その名もひいらぎ)が、

自分にぴったりの子供が選んでくれることを待っていました。

 
一方、身寄りのない女の子のアイビーは、クリスマスを過ごすため、

ひとり、幼子の家に行くように言われますが、

実際はいないおばあちゃんに会うのだと、途中で列車を降りてしまいます。


子供のいないミセス・ジョーンズが、店先で赤いドレスのお人形ホーリー

目を留めます。すると、何かが奥さんの気持ちを揺れ動かし、

久しぶりにクリスマスを祝おうと思い立ち、

ツリーを買い、飾り付けをするのでした。

 

あてもなく町を見て歩き疲れたアイビー、

そろそろおばあちゃんの家を探そうと、家の窓を見てまわります。

ツリーがあって、子供のいない家…

だって、おばあちゃんはアイビーが来るとわかっているはず、と。

おまわりさんに見つかることを怖れて隠れたアイビーでしたが、

そこは暖かい小屋(パン屋さんのかまどの裏)で、寝てしまいました。

 

 


翌朝、アイビーもおもちゃの店の窓で、ホーリーを見つけて言うのでした。

「私のクリスマス人形!」

ホーリーも、ガラス越しにアイビーを見つけて言います。

「私のクリスマスの女の子!」と。

二人は願うのです、それぞれがその相手だと…、

そうなることを…夢見るのでした。

 

さて、ミセス・ジョーンズは、ミスター・ジョーンズに

「どうかしてる」と言われましたが、部屋をきれいにして、

クリスマスの食卓の準備を始めます。

ピンクと白のテーブルクロスに青い磁器のお皿やポット、

クリーマーやら並べ、ロウソクをクリスマスツリーに灯します。


居た場所も冷え冷えとし始め、すっかりこごえてしまったアイビーは、

おもちゃの店とは別の方向に足が向き、偶然、ジョーンズさんの家に来ます。

それはアイビーが探していた“ツリーがあって、子供のいない家”でした。

そこで、自分のクリスマス人形が必要だと思い出し、おもちゃの店に戻ります。

ここから、物語は不思議なめぐり合わせ、

でも自然に、一挙にクライマックスに向かいます。

見事に想いはかなう運びとなるのですが、全部お話するわけにもいきませんね。


大事な筋立てに、おもちゃ屋の男の子が鍵を落とし、

アイビーが偶然拾っていたことや、

ミスター・ジョーンズがおまわりさんだったことなど、

アブラカタブラというちょっと意地悪なふくろう等の

お人形たちのやりとりなど、お話が並行して面白いのですが、

とにかく読み応えのあるお話しと素晴らしい絵、

実際にご覧頂けたら一番でしょう。

(現在は中古市場と図書館のようですが)

 

お人形の優れたお話を書いた作家といえば、ルーマ・ゴッデンその人、

絵は、バーバラ・クーニーによる

クリスマスにふさわしい清澄な美しい絵本です。

 

原題は“THE STORY OF HOLLY & IVY”で、

クリスマスキャロルの題名にもありますね。

終わりの方で、登場人物たちが言い合います。

「もし、あの時…しなかったら、…でなかったら…」と。

願えばかなう…の物語。

皆様は何を、クリスマスに夢見られるのでしょうか。

                    (文庫“青い猫” #9より)

     

 

今日の絵本は、字も割とびっしりで、読み応えもあります。

ゴッデンは、岩波少年文庫の『人形の家』もよく知られています。

 

人形の家 (岩波少年文庫)

人形の家 (岩波少年文庫)

 

 

 

特に、子供時代のお人形やぬいぐるみというのは、

大切な話し相手だったり、かけがいのない友人だったりします。

決して、ただのモノでないんですね。全部ではないですが、

いろいろ処分していた時にも、なかなか手放せなかった

最たるものの一部でもありました。

 

ところで、大人になってからも新たに

人形やぬいぐるみが欲しくなったりするんです。

ちなみに、目下、このはてなブログのアイコンでも、

やたらと頭と目の大きい(笑)ブライスを使っています。

ところで最近、赤毛の子(モッドモーリー)から替わりました。

知る人ぞ知る、今どきのファッションドールですね

 

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 ヴィンターアルデン (髪を編んでます)

 

人形とぬいぐるみの話だけでも、始めたら

一記事にはなりましょうから、

そろそろこの辺で。

 

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もう洗濯用洗剤もいらない?-噂の「ベビーマグちゃん」を使い始めてみました!

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買い物に行くと、

お店に所狭しと並ぶ商品の多さには

毎回驚くほどですが、その中から

私たちはそれぞれが選んだものを購入しているわけです。

最近はインターネットで買い物をすることも

かなり多くなりました。

 

ところで、食品でも日用品でも

いいもの(というのは

この場合、地球環境と身体にやさしいものですが)を

選ぶようにしていたものの、

なかなかピンとくるものが

見つからなかったのが、洗濯用洗剤でした。

で、気になっていたのに一般的なものを少量とはいえ

使っていたのですが、最近、洗剤が要らないという

商品「ベビーマグちゃん」を知りました。

 

 

ベビーマグちゃんとは

合成洗剤を使わずに飲料水素水にも使われている

純度の高いマグネシウムだけを

ナチュラル素材のネットに入れたものです。

これを洗濯物の容量に応じて(3キロに一個、6キロ二個、9キロ三個)

洗濯物と一緒に入れて洗うだけ。

 

◎洗濯物と一緒に入れるだけ! 純度99.95%のピュアなマグネシウムで作られた水素が洗濯を変えます! ◎マグネシウムと水が反応して、瞬時に水素の気泡とアルカリイオン水を作り、消臭・洗浄・除菌の効果を発揮します。 ◎洗剤無しでもお洗濯可能(本品1コで洗濯物3キロまで。2コで5キロまで。3コで8キロまで)、洗剤や柔軟剤との併用も可能です。 ◎マグネシウムは生命に必要な必須ミネラルのひとつなので安心・無害。赤ちゃんの衣類やオーガニックコットンのお洗濯にもおすすめ! ◎使い続けると洗濯槽・排水ホースのカビや汚れもきれいにしていきます。(毎日使用で2〜3週間後を目安) ◎使用回数は300回以上。1年間使用できます。     (大地を守る会の商品ページより)

 

身体と環境にやさしいと評判ですが

決め手となったのは、いつもお世話になっている

大地を守る会でも扱っていたことです。

大地を守る会は、有機野菜や自然食品、商品の宅配の老舗で、

我が家は家族の病気療養をきっかけに、生協から切り替え、

10年以上になるかな。

 

  

 

で、ベビーマグちゃん 

洗濯物の少ない我が家では、とりあえず一個

ブルー・ピンク・イエローとある中からピンクを選び

使い始めて一週間。

市販の洗剤の残り香もなく、洗い上がりも

なかなかいいかもと感じています。

お値段は、どこで買っても同じようで

一個で2592円(税込み)、まとめ買いすると多少お得らしい。

一個で一年使えるということで

単純に一月あたり216円ならよしかと…。

それに、洗濯槽や排水ホースのカビなども落とすというのも

魅力的でした。洗浄剤も要らなくなる?

 

ヨゴレが酷いものを、あらかじめ部分洗いや付け洗いしておくのは

まあ、普通でもしますからね。それ以外は手間いらず。

水道水にある残留塩素も赤ちゃんのお肌には刺激があるということで

それも考慮した製品らしく、この商品名なのかな。

 


ベビーマグちゃん商品説明動画

 

 

個人的には近年、ノーファンデになり

化粧品などを使うこともだいぶ減りました。

 

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シャンプーなども石けん(ボディソープ)でも代用できると知り、

何だか、世に流行っている断捨離ではありませんが

これまで当たり前のように使ってきた

日用品でも、それは本当に必要なのかなと見直すと

いろいろ面白いですね。

大地(を守る会)の食材もそうですが、

後ろの記載を見ると実にあっさりシンプルで

巷の山のような添加物って何なんだろうと

思います。とはいえ、普通の食品を使うこともあるので

その際は、後ろの記載は見なかったことにして…(苦笑)

 

消費大国って、要らないモノ天国ですが

これからは、本来の用途に戻って

だんだんシンプルさが大事になるのではないかという

気もしています。

身体と環境によくないものは減っていくといいですね。

それには、私たちが意識して商品を選ぶ必要があります。

ところで、家や車をはじめ、

若い世代に所有欲が少なくなり、

シェア感覚が芽生えているらしい

というのは、なかなか頼もしいことかもしれませんね。

 

 

 

 

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自然と共に働く道-『土・牛・微生物 文明の衰退を食い止める土の話』デイビッド・モントゴメリー

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新刊コーナーで目に留まった一冊。

 

土・牛・微生物ー文明の衰退を食い止める土の話

土・牛・微生物ー文明の衰退を食い止める土の話

 

 

ワシントン大学地形学教授である著者は、地質学者。

アメリカ全土、および世界各地を飛びまわって

不耕起栽培を実践する農家を取材し、科学的知見を加え、

土壌を回復させることによるこれからの農業について、

環境保全型農業への革命的な方法論が語られていきます。

 

原題は、“Growing a Revolution   Bringing Our Soil Back to Life”

邦題にある「土・牛・微生物」という語は

いわば土壌を再生させるためのキーワードともいえるもので

その前提は、「不耕起」栽培、そう耕さない農業ということ。

慣行農業の犂と耕作機をもって、田畑は耕すものという

固定観念を打ち破る農業革命ともいえるわけです。

 

 

その新たな道、

環境保全型農業は次のシンプルな三原則に成り立ちます。

 

①土壌の攪乱を最小限にする。

②被覆作物を栽培するか作物残渣を残して土壌が常に覆われているようにする。

③多様な作物を輪作する。

 

――われわれは、有益な土壌生物に対してもっと害の少ない農法を必要としていることだ。土壌の健康は、ありふれたミミズから特殊化した細菌、菌根菌、その他の微生物まで、土壌生物の上に成り立っているからだ。本質的にはこれが環境保全型農業のすべてだ――作物の成長を助け、土壌肥沃度を維持するために役立つことがわかっている多くの小さな生物を活性化させ、守るような農法だ。

 犂(すき)にあえて疑問を唱えるのは異端のように思われるかもしれないが、それを使うことは確実にメジャーリーグ級の土壌攪乱なのだ。だから不耕起への移行が環境保全型農業の中心にある。不耕起栽培は収穫できない作物部位――作物残滓――を土壌の覆いとして残す。これは、作物が収穫されたあと、トウモロコシの茎にしろコムギの茎にしろ、植物の残骸を取り除いたり焼いたりしないということだ。そうしたものは畑で分解し、地面に有機物のカーペット――マルチ――を作る。土壌微生物のバイオマスは、不耕起農法へ転換するとすぐに増加する。土壌動物相も同様だ。マルチを施した区画には細菌、菌類、ミミズ、線虫の個体数が多くなる。一方、ひんぱんに耕すと土壌生物のバイオマスが減少し、リンを植物に運ぶのを助ける菌根菌糸を阻害するなど悪影響がある。 

 

 

実際、これらの革命的ともいえる移行は

近代、奨励されてきた化学薬品と除草剤を使う繰り返しによって

よけいに土壌を疲弊させるだけという事実に気づいた

個人規模の農業現場で試され、成果をあげ、

草の根的に静かに広まりつつあるといいます。

土にたい肥など有機物を返し、被覆作物を植えることで

土壌にマルチを施し、雑草を抑制し

何より、土壌の微生物に有効に働いてもらう。

また牛を上手く放牧し、草を食べ、糞が土に戻りという

自然な農法が今となっては新しく環境保全の契機ともなりえるのです。

 

 有機物を使って肥沃な土を作る実証済みのやり方を私たちは再発見した。それは自然と共に働くという忘れかけた道へと、私たちを導くものだった。非常に驚いたことに、古代社会を崩壊させた土壌の劣化の逆転がまさに自宅の裏庭で進んでいたのだ。そしてそれは思った以上に急速に起きていた。都市部にあるわが家の土壌が変わっていくのをこの目で見た私は、土壌生物が土壌肥沃度を高めるための要であるだけでなく、それを使えば土壌を自然が行なうよりもっと速く回復させられることを確信した。これは私が大学で学んだこととは違っていた。

 

それは、教授(著者)が移り住んだシアトルで、

妻のアンが荒れ果てミミズもいない庭の花壇を

まるで農場のミニチュア版のように再生させたことに始まります。

 

――新しい花壇の土壌改良に使うマルチ(乾燥や侵食、雑草の発生を防ぐため、土壌の表面を被覆する資材。マルチング)と堆肥を作るため、アンがありとあらゆる有機物を家に運んでくるのに、私は辛抱強く耐えた。――数年後、結果が見え始めた。土の色がカーキ色からチョコレート色になるにつれて、ミミズ、ヤスデ、クモ、甲虫などの生命が地中からわくように現れた。花粉媒介昆虫や鳥が続いて姿を見せた。生命の叫びが私たちの足元から現われ、地上に広がり、私たちの庭と世界を見る目を変えた。

 

  

 

さて、規模を広げ、世界に目を移したとき

将来的にも持続可能な農業を目指すには、

土の肥沃度を増し、質のよい収穫量をあげ

農場の採算を改善する必要が求められます。

それは、これまでの慣行農法、つまり

工業化され化学製品を多用することから

離れることでなされたという体験談が

各地で語られているのです。

化学製品が世界が養うのは神話だといいます。

 

更に地球上には、現在の食料事情を考えて、

全ての人に食料を与え世界の健康を改善するという問題が

横たわり、そこで欠かせないのは、収穫量を増やすだけでなく

食品廃棄を減らすという広い視野も必要となります。

作物全体の30~40パーセントもが、農薬の大量使用にもかかわらず

害虫と病気によって失われているというのです。

 

また遺伝子組み換え作物が招いているいたちっご

(目先の利益と予想もしない問題発生)にも

気付かなければなりません。

 

 農家の短期的な利益と社会の長期的なニーズをどうすれば一致させられるだろう? それには伝統的な知識を、新しい農業システムを特徴づける現代の慣行に合わせてアップデートすることだ。そうするためには、私たちは土にかかわるもう一つの神話――土壌有機物は植物の養分ではない――を再考する必要がある。直接的には、もちろん、そのとおりだ。植物は炭素を光合成によって大気中から得る。だが、有機物は間接的に土壌生物の餌となり、周知のとおりそれは、植物の栄養と健康に重要な役割を果たす。奇妙なことだが、生命を土に取り戻す可能背は、私たちが死んだものと目に見えないもの――有機物と微生物――をどう見るかにかかっているのだ。

 

ところで、環境保全型農業と再生可能な農法を広く奨励する

政策的支援がなぜないのか、

これを問うと様々な噂が農家から聞かれます。

最大の障害は、アグリビジネス(農業に関連する経済活動)の

ロビイストの存在だといいます。

 

議会と監督省庁に影響を与える大規模な業界までの「金の流れを追え」というような答えが、たいてい返ってきた。変化の最大の妨げと考えるもの――既得権を守る政府の計画と、政策を左右する企業の利益――を指摘することに躊躇する者はほとんどいなかった。

 

どうやら、古今東西

新しいやり方へ移行するのを阻害している根本原因は

同じようですね。でも時代は確実に変わっています。

常に個人や小さなところから

草の根的にも新しい動きは始まっているという

明るい展望を忘れないでいたいものです。

 

 そう、私たちには世界を変え、太古からの物語に新しい結末を書くことができる。肥沃な土壌は、農業のやり方によって失われたり生まれたりするからだ。humus(腐植)とhuman(人間)が同じラテン語の語根を持つのは、いかにもふさわしいことだと思う。世界の農地に健康な土壌を取り戻すことは、人類の未来への投資として本当に有意義なことだからだ。だから世界に食糧を供給し、温暖化を防ぎ、失われる自然を押し留めるという手ごわい問題に立ち向かうとき、シンプルな事実を見失わないようにしよう。探している答えは、時に思ったより身近にあるものだ――私たちの足元に。

 

 

 

 

この著作は、実は三部作の最終巻にあたるということでした。

前の二冊も興味深い内容に感じます。読んでみたいな。

 

『土の文明史』 

 

 

『土と内臓(微生物がつくる世界)』

 

 

 

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追記:ダライ・ラマ法王が来日中ー各地での法話などネット中継

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前回、今秋の新刊として

ダライ・ラマ法王とツツ大主教の対談本を

載せました。

 

www.salon-shiroineko.com

 

 

今朝になって、

実は現在、法王が二年ぶりの来日中だと

知りましたので、追記です。

なぜか、マスコミはあまり報道していないようですが、

  

 

各地での法話やイベントのネット中継がされていると

いうことですので、貼っておきます。

 

 

 ネット中継 | ダライ・ラマ法王14世日本公式サイト

 

横浜での14,15日は過ぎてしまいましたが

まだ三日ほどあるようです。

 

ちょっとだけ、本日の最後の挨拶部分を聴いてたのですが

「自分が自分の教師である。自分の現実は自分がつくる。…

明るい気持ちを持って未来に向かってほしい…

日本人は真面目で勤勉であります。勉強や仕事も必要でしょうが

朝の少しの時間でもいいので、自分の内側を見つめてほしい…

心や考え方を変えるのはすぐには出来ないが、時間をかければ

徐々に変えることができます…」などと伝えられてました。

 

前回の本での内容の濃さもさることながら

 

 

実際に生の声を聞けるのはいいものですね。

 

また、初日の法話の報告(様子)はこちらにあります。

 

www.tibethouse.jp

 

 

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