エブリディ・マジック-日だまりに猫と戯れ

草木と庭と猫と…本や日常のあれこれ、小さな発見

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『自由からの逃走』-エーリッヒ・フロム

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日差しは春めいてきたものの

風があるとまだ寒かったりする。

 

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 斑入り沈丁花 いい香り~

 

さて今日の一冊は…

って、

あるいは今日の本棚とか?

ブログのサブタイトルにしたほうがよさそう(笑)

 

 

 

 

タイトルが、逆説的真理ともいえる『自由からの逃走』

社会心理学者のエーリッヒ・フロムの名著ですね。

 

個人の自由は、実は耐え難いものでもあり、

それゆえに、自虐・加虐的、権威主義等に走りやすいのが

人間であると述べています。


ナチに追われ、アメリカに渡り、ファッシズムへの痛烈な批判

出版された1941年は、第二次世界大戦時でもありました。

今、目を通しても、現代人も同様の罠に陥りやすく、

様々な問題を提起しているのがよくわかります。

  

自由からの逃走 新版

自由からの逃走 新版

 

 

いうまでもなく、一番最初の権威は、親や社会ですね。

人間は生き抜くために過剰適応しやすい面があり

よい子が、神経症的になるのもその始まりです。

この典型的な人生の処し方は、少なくありません。


もっとも、親はよかれと思っていたかもしれず、

なぜか強く影響を取り込み過ぎたりして、

問題は大人になってからも、気づかずに

無意識に縛られているままということです。

本来の自分自身を生きるのなら、本当は

その親にせよ、何であれ、意識的に

自分以外のエネルギーは取り除く必要があります。

 

フロムも述べていますが、本人が自分のものだと思っている

欲求や願いなども、実はそうではない場合が少なくない。

皆と同じという発想や、すぐ他と比べる傾向をみればわかります。

本当に、時代は大きく変わりました。


一人一人が自立した人間として、まさに自由に

自身の行動に責任を持って生きる時代になっています。

これまでの依存や迎合の在り方、価値観は手放す必要があり、

そのように迫られ、なかなか大変ですが、

本来の人生を歩むのは、たぶん途てつもなく

喜ばしいことなのだろうと感じます。

 

フロムは、この後『人間における自由』という続編を著していて

(今は、古本か図書館のようですが)

そちらの、終わりの方にこう書かれた箇所があります。

 

人生におけるもっとも大きな仕事は、

人が自分自身に誕生を与えることであり、

自分の内にある可能性を実現させることである。

   

 

ちなみに、ベストセラーとなったアドラー心理学の教えの本

嫌われる勇気』やその続編にも、

フロムの著書が引用されています。

今回取り上げたものより、読みやすい

『愛するということ』という本です。

これも、とても示唆に富んだ内容で、お薦めです。 

 

愛するということ

愛するということ

 

 

やはり春は、何かの節目だったり、

切り替えみたいな時期だったりもします。

変化や新しいチャレンジには、不安もつきものですが、

フロムが言う"自分の内にある可能性を実現させる”

きっかけや、チャンスかもしれない。

ヘタレっていうの、臆病なの卒業したい私です(笑)

 

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『喜びから人生を生きる!』-アニータ・ムアジャーニさん

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昨日は雨でしたが、

桃の節句の今日は、晴れて

少し暖かくなりました。

 

 桜の木の下で、

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咲き出していた、プリムローズ(プリムラ ブルガリア

 

 

 

 

さて、今日は、

いろいろな面で、興味深い本です。

 

臨死体験を経て、

壮大な気づきを得た著者が語る一冊ですが、

際立っているのは、

いわゆるワンネス(すべてがつながっていること)を得て

肉体に戻ることにした後、

彼女の末期癌がすべて癒えた(自然治癒していった)という

事実があることでしょうか。

 


 私にとって、自分が身体以上の存在であり、はるかに大きな存在であると知ることが重要でした。病気は自分の落ち度のせいではないと、何度でも言いたいと思います。もしも病気が自分のせいだということになれば、病気の人は失望するでしょう。そうではなく、私が言いたいのは、身体は私たちの気づきに反応するということです。子どもも、動物も、環境も同じです。私たちの意識は、自分で理解しているよりもはるかに大きく、地球という惑星を変えることさえできるのです。それは、私たちがみんなつながっているからです。このことは何度言っても足りないくらいです。

 

 すべて体験し終わったあとで、自分に起こったヒーリングについて話したり、「信頼して手放し、生命の流れに任せよう」と言うのはたやすいですが、どん底にいる時は、それを実践するのはもちろんのこと、何から手をつければよいのかさえわからないかもしれません。でも、その答えは案外シンプルで、“自分に対する愛”を持つということなのです。この答えを聞いて、あなたは眉をひそめたり、うんざりするかもしれません。でも、自分に対する愛を深めることがいかに大切であるかは、どんなに主張してもしすぎることはないでしょう。

 

喜びから人生を生きる! ― 臨死体験が教えてくれたこと

喜びから人生を生きる! ― 臨死体験が教えてくれたこと

 

 

アニータさんの生い立ちや、文化的背景なども述べられて、

その中での社会的な生き方によって、

本来の自分を抑圧して表現しなかったこと、

自分より、他者(からの承認など)を優先して、

自分のパワーを見失い、恐れを増大させたこと、

臨死体験の際に、それが病の意味だと知ります。

 

そして、自らが、無限の宇宙のエネルギー的な存在で

愛であるとの気づきを得たことで、

従来の信念や思い込みなどの思考の制限から解放され、

癒されたのだといいます。

 

 愛の存在であるとは、自分の魂をはぐくみ、自分の欲求を満たし、自分のことを後回しにしないことが大切だと気づくことです。この気づきによって、私は、いつも自分に正直になり、敬意や優しさをもって自分に接することができるようになりました。さらに、欠点や間違いだと思われることも、何の判断もせずに眺めてみて、無条件の愛の中での体験や学びのチャンスと考えられるようになったのです。

 

今は、恐れでなく、喜びから生きているという

アニータさんが伝えるのは

自分のパワーを他人へ与えてしまわず、

まず自分自身を無条件に愛し、

楽しみ、自分のすばらしさとつながり、

恐れずに表現しましょう、

というメッセージです。

  

どんなものでも、

受け取れるものは

その時の自分次第ではありましょうが、

新しい時代を生きる私たちに、お薦めしたい一冊です。

 

 

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マザーグースで占う-ダヤンのフォーチュンカード

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こちらは、冷たい雨の一日となりました。

乾燥していたので、お湿りでもありましたが、

これから、少しは、暖かくなるのかな。

 

 

 

さて、今日は、これも猫グッズなのか(笑)

可愛いオラクル(ご神託)系カードです。

 

猫好きならずとも、ファンも多い、

池田あき子さんのダヤンの絵柄、

英国伝承童謡のマザーグースを題材に、

占星術家の鏡リュウジさんが監修されています。

 

ということで、引いてみた、

今日の一枚は、

 

“Beyond the Moon”(月を越えて)

ねことバイオリン

ヘイ ディドル ディドル
ねこと バイオリン
めうしが月をとびこえた
それみて犬も大笑い
お皿とスプーンもとんでいった

 

謎めいた詩です。(中略)この詩の中では一見、鈍く見えるめうしも音楽に合わせて踊るように月を飛び越えています。今のあなたの願いは遠くにあるように思えますが、勢いにのって勇気を出せば、きっとクリアできる、ということではないでしょうか。…

  

 

(ちなみに、ダヤンの絵柄でタロット・カードもあります。)

 

要は、あまり深刻にならず、

音楽を楽しむように、もっと軽やかに、

「案ずるより産むがやすし」といった

メッセージを伝えてくれます。

 

原詩は、以下のとおり

Hey,diddle,diddle,

The cat and the fiddle,

The cow jumped over the moon.

The little dog laughed to see such sport,

And the dish ran away with the spoon.

 

イギリス文学伝統の、

ナンセンス詩の先駆的童謡ともいわれています。

マザーグースについては、平野敬一さんの新書もお薦めです。

 

マザー・グースの唄―イギリスの伝承童謡 (中公新書 (275))

マザー・グースの唄―イギリスの伝承童謡 (中公新書 (275))

 

 

また、

ねこ関連絵本を集めていた時があり、

思い出した絵本に

『月へミルクをとりにいったねこ』があって、

絵も優しく、愉しめます。

 

月へミルクをとりにいったねこ (日本傑作絵本シリーズ)

月へミルクをとりにいったねこ (日本傑作絵本シリーズ)

 

 

いずれにせよ、何でも、

楽しみながら、気軽に、というのも大事ですね。

で、ちょっと気楽に載せてみた(笑)

 

 

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やはり中庸?-『骨盤にきく』片山洋次郎氏

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3月になりました。

まだ、寒いのですけど、

庭でたたずむと、ぐんぐん新芽の勢いが

あちこちで感じられます。

 

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リキュウバイ の新葉と花芽

 

 

 

 

 日常生きていて、理屈ではなく「何かちょっと違う」「何か違和感がある」とき、また妙にハイに盛り上がったり興奮したりするとき、あるいは何もかもがあまりにぴったりタイミングよく進むときがあります。どれも本来の身体のリズムから少し外れている。
 身体で感じるということは、「見る」よりも「聴く」感じに近い。


またまた、整体の片山洋次郎氏の一冊から…

今度は、『骨盤にきく』である。

 

骨盤にきく―気持ちよく眠り、集中力を高める整体入門 (文春文庫)

骨盤にきく―気持ちよく眠り、集中力を高める整体入門 (文春文庫)

 

 

最近は本当に、何処にいても

自然の媒体以外のものに囲まれ

ある意味、必要以上、時に過剰な刺激にさらされ

(なれてしまっていても)休まるひまがないのかも。

 

実際、本書でも言われているように

緊張しっぱなし状態の身体も増えているという。

本来の自然で調和のとれた状態というのは

静穏なものなのでしょうね。

 

忙しい時期ではあっても、いや、だからこそ

常に身体に聴く、というあり方も大事なことに感じます。

あ、ちゃんとその後、本にもありました(笑)

 

 人間には、「生き物としても気持ちよさ」を超えて、過剰な欲望・興奮を求める傾向があります。欲望を掘り起こすことによって成り立つ今日の消費社会ではなおさらです。
 だからこそ、自らの生き物としての内側の声に耳を傾けることがますます大事になってきていると思うのです。
 食べること、住まうこと、着ること、働くこと、眠ること、いろいろな場面で「身体の居心地」を確かめてみましょう。
 本当の気持ちよさは静かで、無重力的で、手応えのないものです。

       『骨盤にきく』 片山洋次郎

 

他の著書でもふれられていたと思うが、

今の時代、私たちは、年がら年中、興奮状態が続きやすい

交感神経が優位になりがちな生活環境に身を置いている。

パソコンの画面もそうだが、

たまに外を眺めたりしないと、疲れる。

ネットを彷徨っていると、ついつい気をひかれて

高揚したり、それに慣れちゃっている人も少なくないでしょうが。

 

気づけば、こちらのブログで3ヶ月たちました。

勢いとはいえ、日々更新、よくやってきたなと思う。

風前の灯時代に比して、読んで下さる方がいるので

励まされたのだとも思います。感謝!

 

まあ、でも、眼と肩を労わるのと、

そろそろ、他に、やらなければならない、いや、

ほんとは、やりたい(この微妙な加減が…)こともあり、

ペースを落とさねば、と思いつつきて、

今日も更新してるわ(笑)

習慣は一度形成されると、あなどれないね。

 

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揺れながらバランスをとる-『整体から見る気と身体』片山洋次郎さん

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3月を前に、冬らしい寒さの日も多かった。

季節も、人生の変わり目も

バランスをとるのが大事な時期ともいえますね。

  

 

 

 ――整体の場合、背骨の弾力や、筋肉を具体的に読んでいくわけです。それで今、体がこういう状態だと判断をしたり、背骨のここに狂いがあるから矯正するんだという考え方であると一般には受けとられていると思います。

 そうじゃなくて、それは一応そういうふうに読むんだけど、バランスが崩れているというのは、ある面では自然なんだということもできます。今の「歪んだ」状態は全体の流れの中の途中一つの位置を占めているにすぎなくて、そこから時間的にこういうふうな経過で、こういうふうになっていくという見方です。今のところだけをみるんではなくて、長い経過の中でみるという考え方がおろそかだと、ちょっと間違えるということだと思います。

           『整体から見る気と身体』 片山洋次郎

 

これは、「揺れながらバランスをとる」という章で

“老化”について問われ、

例えば、四十肩や五十肩は、いずれ治るもので

何か体にとっての必要があると考えた方がいいという。

 

この場合、胸椎2番がねじれているという。


――うまくねじれて肩関節の方にしわ寄せがいってくれると、確かに胸椎2番が硬くならない。そのあと肩が治って元に戻ったときに、真直ぐのいい位置で弾力がある状態に戻ることができる。つまり、肩という一部分にしわ寄せはいきますが、老化によって体のバランスが変わっていく期間に、うまく血管系――一番大事な部分を守るという一つの体の選択なんだろうと思います。


この時期に、目や耳が働かなくなるというのも

そうした適応の仕方といえるという。

 

四十肩・五十肩になったり、「更年期」症状が出るような老化の節目=変動期に無理をしないでうまく体を休めることが、一番の対策です。

 

「この忙しい時に痛くなるなんて…」などと

非難したくなる向きもあろうが、とんでもないかも。

もしかして、感謝しなくては(笑)


何と体の賢いことか…

あまり、いたわっているとは言い難いのに

こんなに忠実に私たちを守っている我が身体。

もっとその声を聴きとって、素直に従おう

という気になります。

というか、気が楽になる、良い内容だと思う。

 

整体から見る気と身体 (ちくま文庫)

整体から見る気と身体 (ちくま文庫)

 

 

風邪はもちろん、アレルギーやその他よくある

疾患や症状についてのお話もいろいろ

気の交流や共鳴についても興味深く

よしもとばななさんが言われるように

「何回読んでも新発見のある名著」

文庫で読みやすく、

私も、繰り返し拾い読みするたびに

感心させられます。


ところで、繰り返しになるが、冒頭の引用にあるくだり

今の「歪んだ」状態は全体の流れの中の途中一つの位置を占めているにすぎなくて、そこから時間的にこういうふうな経過で、こういうふうになっていくという見方です。今のところだけをみるんではなくて、長い経過の中でみるという考え方がおろそかだと、ちょっと間違えるということだと思います。  

 

これは、身体のゆがみだけでなく、

人生についてもいえるかもと

最近、思う。

 

その時は、バランスを崩して、

つらかったり、大変に思われる状況であっても

その人の人生の流れの過程の一つであるとなると

短絡的にいい悪いはわからず、

そこだけを拡大解釈するのは賢明でない気がする。

 

そして、流れといっても、

時は、常に新しい一瞬一瞬ということにもなり、

永遠にプロセスだとしたら、その時々を

ただ味わうというスタンスでいいのかもしれない。

 

 

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