エブリディ・マジック-日だまりに猫と戯れ

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ハロウィンで思い出す児童書-『魔女ファミリー(ガラス山の魔女たち)』エレナ―・エスティス

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さて、今月末はハロウィン。

昨朝、フランス仕込みの人気のパン屋さんに行くと

大量のサンドイッチを受け取りにきた(オーダーでしょう)

親子(子供たちは仮装姿)を見かけました。

この土日に、ハロウィンパーティを

したのでしょうね。

 

もとはといえば、古代ケルトのお盆のような感じらしい。

ケルトでは、10月末が大晦日、11月からがお正月なんですね。

つまり、あちらとこちらの(世界)のベールが薄くなる日、

だそうです。


で、ハロウィンで思い出す印象的な一冊といえば、

『ガラス山の魔女たち』

 

 

 

その昔、渡辺茂男さんの名訳で知られた

エレナー・エスティスの名作児童書ですが、

人気のあった作品ながら、絶版となり

その後、新訳で『魔女ファミリー』として復刊されました。

 

魔女ファミリー

魔女ファミリー

 

 

 今はまた中古と図書館だけかな。ちなみに

当初の『ガラス山の魔女たち』は高騰していますね。

 

魔女の中の魔女、悪名高きおばあさんが消えた…どこへ、

なーんにも生えていないつるつるの冷たいガラスの山のてっぺんに。

何と、なんでもない普通の7歳の女の子エイミーが

絵を描いて、追放したからでした。

悪い行いを改めないと、来年のハロウィーンにも

自由になれないと命じられますが、やがて

そのわびしい生活に小さな魔女の女の子も加えてもらい…。

ガラス山の魔女たちの生活とエイミーたちの日常が

巧みに並行しながら、展開する見事な物語世界に

私達も引き込まれ、行ったり来たり…。

ブクログの自身のレビュー(洋書版)から転載)

 

  

 

この物語の面白いところは

エイミーという女の子の現実で、描いた絵から

そのとおりに魔女の世界へ反映していること。

追放されたかしらの魔女ばあさんが

いい魔女になれるようあれこれアイディアをめぐらし

また、現実と魔女の世界が交錯しながら進んでいくという

設定がなされていることかもしれません。

 

あらためて読み直すまで

ほぼ、内容の細かいことは忘れてしまっていたのに、

『ガラス山の魔女たち』という

最初のタイトルのインパクトや、お話の不思議な雰囲気は

どこかに残っており、この季節になると思い出されるという

子供時代の本の一冊、名作でした。

 

先の本が翻訳された頃は、ハロウィンではなく、

たしか‘万聖節(の前夜)’という言葉が異国風な感じでした。

お話もさることながら、挿絵のアーディゾー二のペン画が

趣と雰囲気にあって、印象的でもありましたね。

洋書(ペーパーバック)もお薦めです。

 

 

作者のエレナ―・エスティス(1906-1988)の作品は

他にも、ルイス・スロボドキンのイラストで

『百まいのドレス』や、

 

百まいのドレス

百まいのドレス

 

 

岩波少年文庫の「元気なモフェット兄弟シリーズ」が

知られています。

 

近年では、ローマ時代に繰り広げられる猫の物語

『ゆうかんな猫ミランダ』の邦訳が出ているようですね。 

 

 

私たちは、子どもの頃から

多くの見たり、聴いたり、読んだり…をしてきますが、

心に響いたものは、そのエッセンスが伝わり、

自らの一部となっているのかもしれません。 

 

 

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DVD『松岡直也 57周年記念 ザ・スペシャル“Hot & Unique”ライブ』

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今年発売された松岡直也&ウィシングの

音楽活動60周年記念のブルーレイ&CDは

ホーンセクションも揃って豪華だが、

 

www.salon-shiroineko.com

 

 

その前、

57周年記念のDVDもなかなか素晴らしい。

 

57周年記念 松岡直也 ザ・スペシャル “Hot & Unique” ライブ [DVD]

57周年記念 松岡直也 ザ・スペシャル “Hot & Unique” ライブ [DVD]

 

 

 

松岡氏が、

”自身の音楽の良き理解者である

最高の仲間たちと繰り広げたスペシャル・ライブ映像の中から、

ごきげんな15曲を選んでお届けした”というだけあって

松岡サウンドはもちろん、演奏がとても楽しい。

 

「Hot & Unique」と題したスペシャル・ライブは

2008年と2009年に行われたもので、

 

メンバーは(敬称略)

松岡直也(ピアノ)

高橋ゲタ夫(ベース)

和田アキラ(ギター)

カルロス菅野(パーカッション)

赤木りえ(フルート)

岩瀬立飛(ドラムス)

大坪稔明(キーボード、パーカッション)

トニー・グッピースティールパン

片岡雄三(トロンボーン

 

  

 

 

このDVDのLIVEが見られるYou Tube画像がありました。

 

 


【LIVE 2009】松岡直也 - あの夏を忘れない  ※Naoya Matsuoka

 

イントロのピアノソロから

哀愁を帯びた松岡メロディラインが 心に迫る名曲。

リビアン・フルートの第一人者の赤木りえさんのフルートの音色も

心にしみわたる。こうした素晴らしい楽曲を数多く送り出してくれた

松岡氏がもうあちらの人となってしまったと思うとファンは泣けてくるよね。

それにしても何とも郷愁を誘うメロディだ。

 

さて、これは2009年5月26日の公演の中からの一曲で、他には

9 Lady Swallow

10 あの夏を忘れない

11 Tango Rengue

12 A Memory of Majorca

13 海岸通りの”Jessy's Bar"

 

そして、このDVDのトップに来るナンバーは

こちら 

 


和田アキラ 松岡直也: Gossamer

 

各メンバーの演奏も素適だし、アキラ氏のギターもいい。

フルートの音色もさることながら、りえさんの衣装もとってもステキ。

 これは、2009年5月27日のもので、曲目は

1 Gossamer

2 The Wind Whispers

3 Mystery of Galleon

4 Mother Earth

5 Nuestra Fiesta

6 Noche Corriendo

7 ノックをしなかったサンタクロース

8 A Season of Love

 

ライブの中で、いつも大盛り上がりを見せるナンバーが

ノーチェ・コリエンドでこちら

 

 


【LIVE 2009】松岡直也 - Noche Corriendo ※Naoya Matsuoka

 

トロンボーンの片岡雄三さんも参加していますね。

素晴らしいアンサンブル、ホットな楽器の掛け合いが楽しいです。

アキラさんのギターと大坪さんのキーボード、ゲタ夫さんのベース、

フルートとトロンボーン、そして見事なカルロスさんのパーカッションと

タッピ―(立飛)さんのドラム

松岡直也さんのノリノリのピアノがすごくいい~(^^♪ 

 

 

さて、もう一つあったのは、ちょうど2008年の4月のもの。

14 The Stranger

15 Spoile Your Heart~Calypso Hurricaneの中からの

 

 


Bu-The Stranger"Live2008" Naoya Matsuoka

 

ゲタ夫さんのベースが聴ける、 

それにしても、ギターいいなぁ。

 

で、スティールパンという楽器の演奏も初めて見ました。

トニー・グッピー氏が参加して何曲か合わせているのですが

トリニダード・トバコ由来の民族楽器で

ドラム缶から作られたという

何とも独特な倍音の響きで、美しい音色を奏でます。

 

松岡さんのライブではないですが

トニー・グッピー氏による演奏

チック・コリアのスペインですね。

 


Spain - Tony Guppy ( Chick Corea )

 

あら、後ろに映っているご機嫌なベーシストは

高橋ゲタ夫さんでしたね(´∀`*)

 

余談になるが、いつもクールに

黙々と演奏する和田アキラさんの姿からは

わからないものだが、実は気さくで明るいキャラという。

その昔(1998)、NHK教育TVで「趣味講座 ベストサウンド」で

松岡さんが講師を務めた時、ギター講師にアキラさんを迎え

その意外な饒舌さと明るいキャラが印象的だったという話がある。

この番組も見たかったな~と思ってたら、

ありましたよ、YouTubeに…皆若い

しかし、何でもアップされてるのね(笑)

 

ライブレストランのスイートベイジルは

もうありませんし、

松岡さんもあちらの人となりましたが

こうしてDVDだけでも、その雰囲気と

エキサイティングな演奏を堪能でき、

見れてよかったー♪

 

 

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『雑草と楽しむ庭づくり』ひきちガーデンサービス-オーガニック・ガーデン・ハンドブック

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ツワブキが開花し始めていた

 

たとえ猫の額ほどの(ってどのくらいでしょうか?)

小さな庭であっても

土があったら必ず生えてくるのが草、いわゆる雑草…

庭木に剪定が必要なように、

草取り、草むしりはやらないわけにもいかず

庭仕事の筆頭かもしれませぬ(;'∀')

 

時に目の敵にされがちな

名も知らぬ草たち(名前を知っているのもありますが)

雑草との上手なつきあい方を教えてくれるのが

こちらの一冊です。

 

雑草と楽しむ庭づくりーオーガニック・ガーデン・ハンドブック

雑草と楽しむ庭づくりーオーガニック・ガーデン・ハンドブック

 

 

「雑草」は、大事な花壇や菜園にはびこるワルモノ!という目で見られることが多い。道端で見かける分にはいいけど、自分の庭となるとちょっとね……という人もいるだろう。

 私たちも今まで、せっかくの庭が持ち主の精神的な負担になっているケースを数多く見てきた。その大きな原因のひとつが雑草だった。

 

 よく、「雑草なんていう名前の草はない」と言う人がいる。「雜」という字には、「大雑把な」とか「取るに足らないそこらにあるもの」というような意味合いが強いからだろう。

 だが、「雑木林」の「雜」は、「多様な」というニュアンスも強い。だとしたら、雑木林とは「いろいろな木で成り立っている林」というような意味合いもあるのではないだろうか。

 そこで、庭や空き地、畑などに自然に生えてくる植物を、私たちはあえて積極的に「雑草」と呼んでいる。

 

 雑草はほかの生きものや土とも密接な関係をもちながら生きている。

 土の表面を覆って紫外線から土壌微生物を守り、冬になって枯れると大地の栄養となる。小さな生きものたちに隠れ家や食物を与え、生態系の多様さをつくり出すのにも一役買っている。さらに、どんなに小さくてもその緑の葉が、光合成によって酸素をつくり出してくれている。

 

こうした雑草と向きあい、理解し、庭という生活の場と、

土や生きものたちとの有機的なつながりのなかで、

雑草をとらえなおしてみたいと、この本が書かれたとあります。

 

  

 

実際、私たちはよく知らないものには

冷たい、というか親しみを感じない傾向があります。

虫でもそうですが、一方的に敬遠するより

少しでも相手を知ることで、多少の理解も進むのですね。

 

というわけで、まず

色や形から雑草の名前を探そうと

写真の一覧がありました。

そして

こちらでは、庭でよく見る雑草86種について

オーガニック・ガーデンの雑草の分け方として

 

1 地を這うタイプ

2 細っ葉

3 丸っ葉(めだつ葉)

4 つるもの(つる性植物)

5 そのほかの雑草

 

という分類で、

各草についてのカラー写真と共に

名前などの情報と性質。そして対処法を載せています。

 

こうした図鑑のような頁が主体となっているほか、

実践編 庭で雑草とつきあう方法

基礎編 より深く雑草を知るために

などの知識と、

また、折々にコラムもあり

興味深い一冊となっています。

 

 最近は、小さい子どもがいたり、ペットを飼っているので、庭で農薬は使いたくないという、かなり具体的な理由から、オーガニック・ガーデンに関心をもつ人が増えている。自分や家族の健康や環境のことを考えると、農薬は使いたくないという人が多いのだ。

 オーガニック・ガーデンというと、その言葉から殺虫剤や除草剤、化学肥料を使わないというイメージをもつ人は多いと思う。私たちも最初のころはそう思っていた。

 

 ところが、いろんな虫を見たり調べたりするうちに、自然農薬であっても、天敵となる虫たちをも遠ざけてしまうということに気づき、今ではよほどのことがないかぎり使わない。自然農薬をまくこと以上に大切なのは、生きもののバランスが取れているということだ。

 つまり、多少は虫に食われていいという前提に立たないと、オーガニックな管理はできないことがだんだんわかってきた。 

 

この後、テントウムシとアブラムシの関係にも触れていましたが

ほんと、そうなんですね。うちの庭でも

 

www.salon-shiroineko.com

 

大量のアブラムシを、テントウムシの幼虫が食べるわ食べるわ…

いつしか綺麗になっていたのは、驚くほどでした。

 

この本の前に、ひきちガーデンさんでは

『虫といっしょに庭づくり』という一冊も出されています。

これが評判となり、雑草についても書いてほしいといわれたそうです。

 

 これも、わかりやすい本でした。

 

さて、オーガニック・ガーデンですが、

オーガニックとは何かと考えると。

「余計なことをしない。余計なものを持ちこまない」

ということにつきるのでは、とありました。

 

そうはいっても、街や庭、里山でさえ

雑草をそのままにして

ぼうぼうにしておくわけにもいかないということですね。

見やすくて参考になります。

 

 大切なのは、つき合い方と生態系のバランスなのだ。

 土は生命を宿すもの、植物は生命を支えるもの、虫たちはその環境を表現してくれるもの━━私たちの足元に、こんなにいろいろな自然の営みが息づいているなんて、考えただけでもエキサイティングだ。

 オーガニック・ガーデンは、そういうことを知るきっかけになる場所だと思う。

 

 

 

 

庭では、鉢入り猫が見られる季節になってきたようです。

 

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『デズモンド・モリスの猫の美術史』旧石器時代、古代エジプトから、現代アートまで猫の絵とそのお話

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図書館の新刊コーナーで目に留まった一冊です。

カバーの絵画は、アンリ・ルソーの《ピエール・ロティ》。

著者は、動物行動学者のデズモンド・モリス氏で、

それまでのキリスト教的の人間観や人間の優位性を排除し、

動物学的人間像について述べた『裸のサル』(角川文庫)の

ベストセラーで知られています。

 

デズモンド・モリスの猫の美術史

デズモンド・モリスの猫の美術史

 

 

この本を手に取って

パラパラ見ていて目についた

最初の “猫の美術史のはじまり”にあった

フランスの洞窟に描かれたという猫(らしきもの)の

絵から始まっていました。

さらに”Ⅰ聖なる猫(古代エジプト)”へと移り、

時代ごとに様々な絵画が紹介され、

絵や当時の文化の中での猫というものについての

説明と考察が繰り広げられていきます。

 

 今日、猫は、地球上で飼われているペットのなかで抜群の人気を誇っています。野生を捨て、まず害獣駆除役として人間の家庭に入っていった猫ですが、最終的には人間の純粋な友となり、ぐんぐん数を増やしていきました。その数は今や億単位で数えるほどで、世界でも群を抜いて反映する肉食獣となりました。(中略)これだけ猫がいれば、多くの文化で猫が芸術の主要テーマの1つとなっても驚きません。これから見ていくように、古代エジプトから現代アートまで、猫は実に多種多様な姿で表現されてきました。

 

 

時代ごとの沢山の絵画やオブジェなどを

眺めているだけでも充分面白いうえ、

当時の社会や文化背景、また画家と猫の関わりについて

モリス氏の興味深い解説もたっぷりで

思った以上に

読みごたえもあって、楽しめました。 

 

  

 

猫が家猫や狩りの友とされ、

女神(バステト)として崇められたエジプト時代から、

ギリシア・ローマ時代の都市や修道院の猫など、

やがて12世紀以降になると、ネズミ退治や愛玩の対象から

次第に、反キリスト教の異教、悪魔の使いとして猫(特に黒猫)とされ、

残酷な迫害を受ける長い受難の時代が続きます。

18世紀に入って、ようやく飼い猫としての復権がなされ、

絵画の世界での変遷が語られるのです。

 

古典の巨匠、レオナルド・ダ・ヴィンチがの

「ネコ科の最小動物こそ最高傑作だ」という言葉が

残っているそうで、彼の素描に猫が描かれたものが

ありましたが、未完に終わった作品として載っていました。

その後、当時はトラ猫が貴重とされていたり、

猫と画家たちの関わりとエピソードなど

興味深い内容は続きます。

 

ピカソが描く猫は、

獲物を残忍に食らっているものばかりだったとか…

(晩年にピカソらしいスタイルの抱かれた猫の絵もありましたが)

ルノアールや、ゴーギャンロートレックマティスなども

登場。パウロ・クレーやミロの抽象的な猫も面白い。

近代に入り、伝統主義や、ナイーブ・リアリスト、

ナイーブ・プリミティブなど紹介されています。

 

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(マーティン・レーマン「船長の猫」)

 

また、”部族社会の猫”では、

南アメリカ現住部族の芸術品である見事な

古代からの衣装の文様(織物)などもあり、

そして東洋の猫たちも、

漫画やストリートアートまでと

実に多彩な猫の姿が楽しめます。

 

猫好きさんはもちろん、絵画や文化史に興味のある人には

オススメの一冊です。

巻末には作品のリストもあり、

お好みの絵画も見つかるかもしれませんね。 

 

 

 

 

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『動物たちの内なる生活-森林管理官が聴いた野生の声』ペーター・ヴォールレーベン

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以前、ドイツをはじめ各国でベストセラーとなった

森林管理官が聴いた森の声『樹木たちの知られざる生活』について

載せたことがあります。

 

www.salon-shiroineko.com

 

自然の樹木たちについて、とても興味深い内容でしたが、

この著者のペーター・ヴォールレーベン氏が

引き続き、今度は動物について書いた一冊

『動物たちの内なる生活ー森林管理官が聴いた野生の声』があります。

その邦訳が、今年の8月に出ました。

 

動物たちの内なる生活――森林管理官が聴いた野生の声

動物たちの内なる生活――森林管理官が聴いた野生の声

 

 

長年、森林の管理をしながら、

動物とも交流してきた著者によって

様々な動物たちの世界や知恵と共にそのエピソードが

綴られています。

 

 ──キッチンにあった深皿いっぱいのジャガイモ団子(クネーデル)を平らげたあと、そしらぬ顔でとぼけていたうちのメスイヌ、マクシは、生ける大食らいロボットなどではなく、精妙に愛すべきいたずら者なのである。思い込みかもしれないけれど、じっくり見れば見るほど、飼っている家畜や森にいる彼らの野生の親類たちに、人間的な心の動きばかりを見出してしまうのだ。そして、その点で私はひとりぼっちじゃない。多くの動物種が私たちと共通の性質を分け持っているという認識にいたる研究者は、どんどん増えている。カラスのあいだにはほんとうの愛があるって? たしかにあると考えられている。リスは親族の名前を知っているだって? ずいぶん前からそう報告されている。どこに目を向けようと、そこには愛があり、共感があり、喜びに満ちた生がある。この種のテーマに関する科学的研究が、今では数多く存在するのである。

 

 さて、リスは良いやつなのか、それとも悪いやつなのか? どちらでもない。リスは私たちの保護本能に訴えかけ、そのことが良い感情を呼び起こす。だがそれも自然の気まぐれの結果にすぎない。良いとか役に立つということと、それはなんの関係もないことだ。つまりはメダルの両輪であって、同じく私たちに愛されている小鳥を殺すことがすなわち悪、というわけでもない。動物は腹を空かせる。栄養たっぷりの母乳を必要としている子どもたちの世話もしなくてはならない。

 

  動物の世界には、たとえメディアで嘘の例として挙げられていても、実際はそう言い切れないものが、むしろ狩りの戦略と呼ぶべきものがある。たとえば、キツネ。彼らはクジャクチョウとは違って、意識してだますことができる。狩りの戦術の一部として、キツネは死んだふりをし、その際にときに舌をだらりとたらしたりする。開けた風景のなかに、ぽつりと死骸があるぞ? それにはつねに引き取り手がいる。とくにカラスの仲間だ。カラスは豪華な肉の提供品に、たとえそれがちょっとうさんくさいものであっても、喜んで飛びつく。我らがキツネの場合は、まだつやつや新鮮だ——いや新鮮どころの話じゃないのだ! かの黒々とした鳥がごちそうにありつこうとすると、ふと気づけばキツネの歯のあいだにいて、しまいには自分のほうがごちそうに変わってしまうのである。それは名人芸的な擬態のわざであり、確実に詐欺行為であるのだが、嘘いつわり、というにはほど遠い。(中略)

 でも、道徳的に責められるべき、ってなんだろう? 私個人としては、いかな悪巧みだろうと、動物の精神生活とはなんと多面的であることかと感嘆するばかりなのだけれど。

 

実にさまざまな動物たちが取り上げられています。

アリやハチ、チョウやガなどの昆虫、

シカ、イノシシ、ノロジカなどの狩猟動物、

カラスやカケス、シジュウカラなどの鳥類、

身近にいるリスやハリネズミ

家畜としてのウマやヤギ、ブタ、

そしてウサギやイヌ、さらに類人猿…。

 

  

 

そして、人間的な思い込みや都合での介入が

時に野生動物や生息地に危機を招きかねないといった

自然世界の仕組みも伝えてくれます。

 

著者などの人間と生活圏を接する動物たちの

行動から垣間見れる彼らの「内面」へと

できるだけ客観的、時に科学的な研究の事例も引きながらも

著者自身の実感を大切に

あれこれ考察したノンフィクションですね。

 

動物たちの生態など興味深い内容もさることながら、

何より自然と動物たちを愛するそのまなざしが

感じられるのがいいです。

 

引用は最初の方から取りましたが、

あまりに事例や対象も多いので

あとは断念しました(笑)

 

訳者のあとがきにありましたように

”本書は、彼が森で出会い、あるいは

家や放牧場で過ごした動物たちの「感情」や「意識」について、

著者自身の体験と

学問的な成果を絶妙に混ぜ合わせながら綴ったエッセイ”。 

 

動物たちの感情や意思についても、

著者の興味は尽きません。

私たち人間の視点から捉えたくもなりがちテーマを

あくまで客観性も持って果敢に探っています。

 

最後の方で触れられていますが、

ひいては魂や精神性となると、

それぞれの考え方や生き方、思想も反映されるため、

皆が同じというわけにはいかないかもしれませんね。

 

ただ、言えるのは、特に

身近で動物と接している人なら

それぞれが愛情ある存在としての交流を持っているのを、

実際に感じ、体験しているということです。

今後はさらに、同じ地球上で

自然界に生きる野生動物や鳥、昆虫、そして菌類まで

すべてのものに敬意と理解を持つことが何より

大切なのでしょう。

 

 

 

 

今日の一枚

レース編みドイリー(センター)

 

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 (40番レース糸 生成り   直径33㎝)

 

 

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